満足度★★★★★
あの頃の未来に僕らは立つことになる。
偶然なのか、夫婦を主題に扱った作品が12月は多かった。
PARCOプロデュース『Good Night Sleep Tight』、ブラジル『軋み』。
後者は“夫婦は他人”という点に主眼を置いていたように思うし、
前者も三谷幸喜がインタビューで語っていたと記憶している。
今作も、そういった意味では“夫婦は他人”という描き方をしている。
もうひとつ主題があるとすれば、まさに“あれから”ということになる。
私からすれば、壮年の夫婦は“これから”なのであって実感も薄い。
でも、「夜空ノムコウ」の歌詞の実感くらいは少しはあるわけで。
派手な演出など何もない。
が、KERAの“自称・レイト・ワーク”に相応しい普遍的な作品であろう。