満足度★★★★★
特命捜査対策室に 五年前の殺人事件の真相を知っていると言う男が現れるところから始まる 未解決事件の物語。
ボクラ団義 久保田唱 という脚本 演出家のテーマはいつも深く社会の闇に目が向いているのですね。
今回のテーマは
未解決殺人事件
養護施設での児童虐待
動機の無い(または理解できない)殺人
証拠がなく裁かれなかった犯罪
が軸なのですが、私が一番考えさせられるものが児童虐待なのです。ここでは女性職員による幼い男子への性的虐待が描かれています。
そして 「女性」への憎しみから猟奇殺人へと繋がって行く。
「あってはならないこと」 ですが現実、福祉の世界でも弱い立場の高齢者 障害を持たれる方、子供たちへの虐待が発覚され続けています。
また 家庭での虐待も増加しています。離婚等の離散も子供の心に痛みを植え付けます。
どうして弱者への虐げが行われてしまうのか。
それによって身体だけでなく 心の傷を負い 自分または他人を傷つける連鎖が起きる。
心の傷は身体の傷より深く癒される刻がいつくるのかも解らない。
何を言いたいのかわからなくなってきた(笑)
とにかくこの重いテーマを役者陣の力量で見事に演じられていて、過去の事件と繋がり 意外な犯人が炙り出されるのです。
登場人物が三役が同一人物だったり、犯人が過去の殺めた人物に成り代わり人生をおくっていたりと一度の観劇では足りない情報量。
盆舞台の巧みさ。回転し角度によって場面が代わり、ドアによって男女 生死 過去と現在を分け、上下を住み分ける。
舞台美術 照明 プロジェクトマッピング 音楽 衣装 どれをとっても総合芸術の美しさに魅せられました。
癖になる常習性。