鏡 公演情報 早稲田大学劇団木霊「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     ファーストシーンでいきなり観客を驚かせ物語に引きずり込む演出、演技はとても良い。

    ネタバレBOX

    然し、会場でのアンケにも書いたように状況設定にはもう少し工夫が必要だと思われる。
    テーマは、完全性とも取れるし女性が理想的なパートナーを選ぶことの難しさとも取れそうだ。無論、他の解釈も成立するだろう。
     完全に関してはプラトンの対話中にある「人間球体論」をイメージしたい。そのような完全を求めて彷徨っている主体を今作は描いたと解釈するのである。
     もう一方は、生まれた時、200万あると言われる原始卵胞で(卵子の素)、その後どんどん減っていくにせよ、可也の卵細胞を女性は持ち、我々ヒトと雖も遺伝子の命ずる所からは容易に逃れることができないという事実である。無論、これは男性にも言える。総ての生き物が遺伝子の乗り物でしかないという考え方すら成り立つのである。
    雌雄異体である我々ヒトのうち、産む性である女性にとっては、生まれてくる世代に対する責任もより重大であると自覚されるであろうから、理想のパートナー探しはそれこそ命懸けであってもおかしくない。そんな突き詰めたパートナー探しとも取れるのである。
     出演している女優が次々に、この立場に転じてゆくのは、このような解釈なら、説明がつくし。
     何れにせよ、女優陣の熱演が目立つ舞台であった。

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    2016/12/21 16:24

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