天使も嘘をつく 公演情報 燐光群「天使も嘘をつく」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    花5つ星 タイゼツべし見る
     驚かされるのは圧倒的な情報量である。

    ネタバレBOX

    燐光群は今まで沖縄本島に関する作品はあったが、石垣、宮古、与那国などについての作品は無かったのだが、今作は島の名は変えてあるものの、最近1年余りの間にこれらの島々で繰り広げられてきた現地取材を通して書かれており、ほぼ、取材した通りの内容である。沖縄タイムス、琉球新報の二紙に対する誹謗中傷がネット上では見掛られるが、この二紙の報道の真実味を演劇の側から検証して見せた作品と言っても過言ではない。坂手氏のこの取材力と今まで日本の問題にキチンと向き合って来た姿勢が、証言者からこれだけ多くのもの・ことを引き出し得たということであろうし、被取材者たちの戦いのありようと真摯な姿が、この作品の内容の堅牢性を導き出していると言えよう。
     それに引き替え、防衛省や自衛隊上層部の在り方はどうだ!? 嘘と詭弁と力とプロパガンダで人間のみならず総ての生命の生存権を脅かす。而もその姿勢を恬として恥じることがない。当に下司!! 
     東シナ海問題は、田中角栄と周恩来の間で、この問題は様々な要素を抱えているので棚上げしよう、という政治的知恵によって長い間問題にならなかった。そこへ問題を起こしたのは、石原が始めた尖閣購入計画からである。その後、日本は国家として魚釣島、北小島、南小島を買い取った。中国にしてみれば、棚上げにしていたハズの尖閣諸島を含む東シナ海の問題を最初に破ったのは日本である、と看做すことは当然であろう。まして、与那国、石垣、宮古などへのレーダー建設等が着々と進められて、軍事基地化されている。国際法上、軍事施設の無い場所を攻撃することは犯罪である。然し、いざ戦争が始まったら、敵の目であるレーダーを最初に破壊することは、戦略・戦術上最も効果的であることは、戦争の常識だ。その最も最初に狙われるレーダー基地などの最新設備をこれらの島々に置くことによって、唯でさえ軍事施設の集中する沖縄に更なる負担を強いるとは何事か! 自衛隊が、こちらに目を向けたのは、米ソの冷戦が終結し、自衛隊の存続が危うくなった為ではないか? との説があるが、どうやらこの説が正鵠を射ているかも知れない。かつて警察がオウム真理教事件を利用して延命を図ったように。
     さて、こういう様々な動きから、見えてくるもの・こととは何か? 日米地位協定の内容からみれば、日本全土の沖縄化ではないのか? 最高の安全保障が、他国と仲良くすることにあるとすれば、軍備を増強することは、その真逆にあると言わねばなるまい。まして、国土の狭い我が「国」が世界一の強国になるなどあり得ない。現在世界最強を誇る米国でさえ、9.11で大きな被害を出した。力によっては何も解決しないと知るべきである。核戦略体制が、地球生命を人質にした戦略であることの意味する所をも当然意識的に見るべきであろう。

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    2016/11/26 00:45

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