ドラマ>リーディング『近・現代戯曲を読む』 公演情報 Minami Produce「ドラマ>リーディング『近・現代戯曲を読む』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    新たな試みを...【夜の部】
    古民家は、日本の伝統的な建築様式や文化、そこで暮らした人(ここの家は市丸さん)のぬくもりを色濃く残している。その昔ながらの佇まいの中で演じるのは、古典的な「能」を三島由紀夫が「近代能楽集」に収められている2作品(班女」「葵上」)をドラマ/リーディングという新しい試みで演じる。その観た目はリーディングであるが、仕草(動作)もしっかり見て取れる。その作品からは、女の情念という感情が伝わってきた。
    (上演時間70分)

    ネタバレBOX

    梗概(上演順)..
    「班女」は、画家・本田実子は、自分が愛おしく思っている女性・花子が、男に恋焦がれている。その男が現れることへの不安、そして嫉妬と焦燥が狂おしい。
    「葵上」は、入院して毎夜うなされ苦しむ妻・葵のもとへ、夫・若林光が見舞いに来る。そこに六条康子が生き霊となって現れる。葵を呪い殺しその夫を奪う。その激情した姿は棘(おどろ)髪を振り乱しているかのようだ。

    公演では、三島の近代能に新たな息を吹き込んだようだように人物(像)が立ち上がり滋味を感じさせる。そのドラマ/リーディングは十分楽しめた。しかし、夜公演は昼公演に比べ静寂になっている分、電車の走る音が気になる。それが台詞と台詞の間に聞こえる時は、集中力が途切れる。
    一方、夜景の効果として窓ガラスの向こうの灯り、それがガラスに反射し役者の姿が幻影のように映る。

    役者によるドラマ/リーディングは、その力量を十分発揮し物語の醍醐味を伝えてくれた。自分が過去に聞いた公演(媒体でも聞いた)では想像力を豊かにして楽しんだが、この公演では視覚にも入ってくる。その演技が中途半端であれば白けるところであるが、ドラマとリーディングを絶妙なバランスで表現していた。

    三島は、彼以前の能を自分なりに「近代能」として練り直したと思う。本公演では、それを更にドラマ/リーディングとして描いていることから、既に三島の翻訳というよりは新たな能の精神ともいうべき”心”を入れているようだ。この「人」の「心」の有り様を見事に抉り出していると思う。三島の古典に対する思いと挑戦同様、文字(言葉)一辺倒の世界から一歩踏み出してドラマを観せることにより、能の世界を楽しませてくれた(なぜ、この2作品を選択したかは分からないが)。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/11/06 15:58

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