悪巧みの夜 公演情報 同級生演劇部「悪巧みの夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    かなり個人的なこと
    私事ながら。
    育児により自由な時間もとれず、引越により距離的にも東京から離れてしまった私にとっては、小劇場を観に行くハードルがものすごく高くなってしまった。絶対に面白いと、観る価値があると確信できる舞台しか足を運べない。
    週1ペースで観劇していた当時に、好きだった佐藤みゆきさんと浅野千鶴さん。(好きな女優は?と聞かれたら私はお二人の名前をあげている)初見はこゆび侍のエスカルゴ。最後に観たのはうつくしい世界。このお二人が須貝さんとユニットを立ち上げると聞いてどれだけ興奮したことか。これは観に行かねばならないと、夫に頼み子供たちにお願いし実に2年以上ぶりの観劇を果たした。

    ネタバレBOX

    小劇場の空気。距離感。息遣い。緊張。これだよこれ!やっぱりどんな娯楽にも勝るなぁと静かに感動した。好きだー小劇場。
    梅ヶ丘BOXの雰囲気がまた芝居にマッチして、雑多な小道具、陰鬱な照明の演出がきいてる。
    役者全員安心して見ていられるさすがの力量。
    佐藤さんはともすれば役者のクセと思われてしまうところをキャラクターのクセにしている。噛んでもしくじり感がでない。キャラクターが興奮して噛んだようになる。すんなりそこに立っている。衣装は野暮ったいのになんとなくえろく見えるのは私が性的な目で見ているからかしら。だってお綺麗なんだもの。
    浅野さんのコミカルなキャラがとてもはまっていた。可愛い。絶妙な間と返しに何度もにやにやさせられた。自然体で力みがまったくない。あぁ可愛い。ずるいなぁ。彼女のまっすぐに人を見る目と姿勢がとても好きだ。
    須貝さん、とっても上手。特に怒りの演技がよかった。怒鳴る、脅す、押し殺す、戦慄く、静かにキレる、笑う、などなどのレパートリーが短い間にぽんぽん飛び出て、息をつかせぬ緊張感だった。
    それぞれのキャラクターの過去をちら見せしながらも全部は説明しない、客に媚びない姿勢がよかった。それぞれの立場に説得力があり、この行動に出るのはこう生きてきたからだ、というバックグラウンドを感じさせる。矛盾や脚本による強制力やご都合をまったく感じなかった。実にしっかりしていた。説明しないでこの説得力。唸る。
    時計を進ませる演出がよかった。
    その間に何があったのかきちんと説明しない箇所もあったが、これ言っちゃうと多分ぐだぐだするんだろう。
    ただ私の理解力不足というか、午前午後がいまいちわからず夜中?昼間?とわかんなくなった。そしてリアルに時計の針の分だけ時間が進んだのか、もしや何日か経過した?とちょっと混乱。後に「丸1日でこれだけわかった」的な台詞により前者だと理解したので、頭からわかっていたらもっと時間経過による行間を読めただろうに。
    75分という短い中でもスピーディーに展開し、どう結論づくのだろうとハラハラしながら見守った。事件の面白さ、シブカワとの対決というクライマックスを見せてほしかったという欲求不満はあるし、サトミの行方を知りたい気持ちもある。まぁでも推理小説ではないし、この三人が今後も幸せであったらいい。
    観に行けてよかった。お三方は私の一つ上になるのだけど、演劇界を離れ家庭に入った自分と、対極なように感じた。それが寂しいのか、なんなのかはよくわからないけれど、やっぱり芝居に関わって生きていたいなぁと思わせる熱量だった。

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    2016/11/04 12:22

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