ドラマ>リーディング『近・現代戯曲を読む』 公演情報 Minami Produce「ドラマ>リーディング『近・現代戯曲を読む』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    早く書かずにはいられない公演【昼の部】
    会場は、浅草橋にある古民家ルーサイト・ギャラリー 、自分は初めて訪れた。隅田川沿いにあり、対岸には旧安田庭園、両国国技館がある。上演後、ベランダに出るとスカイツリーも見える。そんな風景を借景するような演出が巧み。
    (上演時間70分)

    ネタバレBOX

    ドラマとリーディングで中途半端な演出になるかと思ったが、動作は最低限に抑え、台詞(言葉)による感情表現に力が入る。それゆえ、観客の想像力を刺激してくる。それだけ役者の表現力が素晴らしいということ。

    さて演目は昼・夜で異なる。
    昼の部
    【星にリボン(作・荻原伸次)】
    真夜中。あるビルの屋上に一人佇む若い女が死神と語らう。夜空に飛び出す覚悟を決めた女に、死神は手をさしのばす。しかし踏ん切りがつかず...。私の存在、そして生きている世界はどこなの。そんな自問自答の末に死神から言われた言葉...この死神、天死(天使)のような。

    【日射し-家族の歴史-第一部のみ(作・長堀博士)】
    目を瞑るとまばゆい日射し。ひび割れた大地を水のタンクを運ぶイメージの旅。三姉妹には兄(名は「太陽」)がいたが、長女が生まれる前に亡くなってしまった。しかし、いつも家族の中にその存在を感じていた。母と父の馴れ初め、三人姉妹の成長と現在の姿。そして亡き母の思い出が回想される。
    二部は、父が芸者と懇ろになり、てんやわんらの騒動になるとの紹介が...。実に興味を惹かせる。そういえば、この会場の住所は柳橋一丁目、芸者が多くいた場所(花街)ではないか。

    「星にリボン」は、もちろん夜の話で、場内は雨戸を閉めたまま。「日射し」は一転、日(陽)を感じる物語であるから、雨戸を開け太陽光を取り入れる。そして後景は隅田川、JR総武線が走るのが見える。この二話の間には休憩がなく、一気に暗・明の転換するような印象付けをする。
    そして、欄間の木枠から橙色の柔らかく優しい(間接)照明が...。

    とても素晴らしいドラマ>リーディングであった。
    次回公演を楽しみにしております。

    ちなみに、夜の部は次の二作品である。
    ・班女(作・三島由紀夫)
    ・葵上(作・三島由紀夫)

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    2016/11/03 16:53

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