満足度★★★★★
傷は時間と共に癒えて行く
だれか、そばにいてくれる人がいれば・・・。どんな悲しいことも苦しい事も、無理にあがくことなく、ただ一緒にいてくれる誰かと、ゆっくり時間と共に生きていれば、傷跡は残っても、痛みは自然に癒されていくものだと、この舞台を観て感じていた。創作されたものであっても、観ている自分と重なってくる感情があまりにも多く、鳥肌が立った。そこに流れる横浜の風や匂い、しっかり造り込まれたセットにも物語を感じさせる風情が有った。汚れなく真っ直ぐに生きようとする姉妹、潔いストリッパー、清楚な娼婦、誰もがそれぞれ違う形であっても、凛とした美しさを持っていた。皆が“マリア”と呼ばれるにふさわしい生き方をしていたと、タイトルにの意味合いの大きさも感じさせられた。この完成度、演技力、小劇団(と言っていいんだろうか?)としては断トツの素晴らしさだった。