満足度★★★★★
自由に芝居が掛かる時代に感謝ちょっと『リチャード2世』を思わせる政治・歴史劇ですが、「天皇」が家業である家庭の物語でもあった。時折、客席からすすり泣きが聞こえてくるほど、普通に感涙を誘うのが馴染みの薄い人(当時は神)だけに、自分には意外な感じがした。台本の作りが、また秀逸な演技がなせる技であろう。ただし、舞台上は、過去を振り返る凛とした皇后(松本紀保)の存在が、全体の目線を乾いたものにし、クールであった。上つ方だけの世界を描いていて、同時代を生きた臣民を思うと、悲しみ、やるせなさを感じないわけでもなかった。
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2016/10/31 04:56
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