ホテル・ミラクル4 公演情報 feblaboプロデュース「ホテル・ミラクル4」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ラブホテル・ミラクルでの一夜
    ラブホテルのイメージは、欲望と情念のようなジュクジュクした感情が滲み出てくるもの。本公演は、その陰湿・猥雑よりは、どちらかと言えばカラッと乾いた印象である。

    短編5本はどれも面白いが、それは単純にギャク的なことではなく物語...男女の距離感をしっかり表現している。
    上演時間2時間、それは新宿ラブホテルの一般的な休憩時間をイメージさせるもので、観客がソッと隙間から覗いている気分にさせる。

    ネタバレBOX

    客席はL字型ひな壇で、ホテル室内の肢体・痴態を覗いている。
    薄暗い部屋...ダブルベットとサイドテーブル、ソファー、テーブルと椅子2脚。出入り口近くにスモークガラスのシャワールーム。ベットにそうように黒ソファーがあったが、芝居で使用することはなかった。帰り際に聞いたところ、客席だったようだが、誰も座らなかった。

    梗概(5編)は次のとおり。
    1.「ホンバンの前に4」
      前説を兼ねており、特に携帯電話の電源OFF。

    2.「メキシコ」
      冴えない童貞男とかわいい女の訳あり一夜。女は彼氏を殺し警察の捜査から逃げている。そのために童貞男とラブホヘ逃避行?

    3.「楽しい家族計画」
      男が家族のために部屋を改装したい、その相談事をラブホで行う。男・女(建築士)とも既婚者で、改装相談が、いつの間にか男女の人格・性癖へ話が逸れて...。男はこのラブホの経営者で、この部屋を改装したいと。

    4.「後戻り出来ない女(まもる 2016年版)」
      出会い系サイトで知り合った年の差カップル。女性は独身キャリアウーマン、ミラクル4ならぬアラフォー。男性は24歳。ホテルへ入ったはいいが、年の差で話題やカラオケの選曲が合わない。この2人は特別な関係であり、それを解き明かす第三の男が登場する。

    5.「グリーブランド」
      酔い潰れた女とラブホで一夜を過ごすが...。ヤるチャンスがあったのに行為をしない男に向って女は、明日遠くへ行くという。それはグリーブランド...それってどこにある国なの。女の誘惑にも優柔不断な態度の男。女が部屋から出たところで...一言。

    どの物語にもクスッと笑えるオチがある。全作品にラブホという少し妖しげな雰囲気の中で、男女の距離感が伸び縮みする。または話を適度にねじり、巧みに流れに渦を作り掻き回す。室内の濃密な関係が、軽快なテンポで繰り広げられる。このアンバランスのような演出がたまらない。
    シャワーを浴び、バスローブ姿の女優陣がエロティックでドキドキ、そして展開にハラハラして楽しめる。

    最後に、薄明かりの中で次作品のベットメイキングをしているが、出来れば女優陣(ラブホのベットメイキング=女性のイメージ)のほうが艶めかしいかも。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/10/30 14:02

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