満足度★★★★★
骨太・重厚作品…素晴らしい!
「天皇とは何か」劇中の台詞である。多くの臣下はその問いに答えられない。大隈重信だけが…。シンプルな舞台セットであるにも関わらず、骨太な内容を濃密な会話で紡いでいく。謁見の間であろうか、その場は緊張感に包まれているが、役者は生き活きと演じている。その一言ひと言の台詞に史実(フィクションと説明)が透けて見えてくる。明治はもちろん、大正時代も遠くなったと思っていたが、最近11月3日を「明治の日」にしようと祝日法改正運動が進められているらしい。
本公演は、戦争と平和、天皇家における父親と息子、さらには疾病への偏見(新聞報道)など、現代に通じる問題提起をしている。