鉄人 公演情報 ThE 2VS2「鉄人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    また東京へも来てね!! 花四つ星
     「同窓会白書」「サッカー」「愛の宇宙」「恋のピンチヒッター」「ファンファーレと熱狂」「大事件」というショートストーリーのオムニバスである

    ネタバレBOX

    。個々の作品それぞれの関連は余り無く、一話一話の独立性がかなり高い点に特色がありそうだ。その分バラエティーに富んでいるという事もできるが、各ストーリーに対する観客の好みは分かれそうだ。「同窓会白書」 では引き籠りだった男が同窓会の案内状に釣られてやって来たのだが、同級生の誰一人からも覚えていて貰えなくて、何で来たの? との禁句を発されからかわれる話なのだが、何故、彼の引き籠りが治ったのかを入れるともっと良くなる。
     「サッカー」は実に面白い作品だった。オフサイドトラップなどの様々なテクニックが非常に巧みに織り込まれバランスの良い心憎い作品に仕上がっている。因みにサッカーという呼称は世界標準ではない。世界標準はフットボールで、サッカーという言い方はアメリカと日本だけではないか? この辺りの事情も取り込むと笑いを一つ、二つ増やせるかも知れない。然しサッカー(フットボール)ほど面白くエキサイティングな球技が他にあろうか? 自分はかつて世界最高レベルの選手たちと1か月を共にした関係で、サッカーの面白さを知った。Jリーグのようなプロフットボールチームを日本にも作ろうと言い出した人間の一人である。
    「愛の宇宙」は女性的な視点が多く観られ、恋する相手との距離が遠のいてゆく寂しさを表した作品と理解したが、センチメンタル嫌いの自分の感性とはかなり違っていたので評価できない。悪しからず。
    「恋のピンチヒッター」は、かつて同じチームの大の仲良しとしてチームメイトだった2人の選手が、今は、日本一を争う敵味方の四番打者とキャッチャーという位置づけだ。2人の名選手の恋にも似た感情のぶつけ合いと試合の趨勢を決める対決場面の緊張感とそれを崩すような四番打者の振る舞いが、脱落や脱臼そして互いの心理戦との乖離と脱線を経つつ最終局面に至り、さよならホームランで幕を閉じる展開も素晴らしい。
    「ファンファーレと熱狂」は、競馬の話でこれも実に面白く拝見した。馬たちの恋の季節は、初め人間の恋話として始まるのだが、これが馬の話に転化してしまうシュールな点や、恋の季節に牝馬を追いかける牡馬の有様が実に巧妙に描かれていて笑いを誘う。牝馬の後追いをする行為をフケと言うのだが、この有様に、タイプの正反対なジョッキーが騎乗してのG1重賞レースの実況も含めて競馬ファンには堪らない作品に仕上がっている。
    「大事件」は、抱腹絶倒。胃腸の極めて弱い男が気の強い彼女の両親に呼ばれて、結婚受諾を願い新婦(候補)の実家を訪れるのだが、内容は余りに尾籠な話なので、流石に差し控えるが、開高 健の名言にこんなのがあった。水上生活者が、食べた物を体内から排出すると、魚共が寄ってたかってその“極上のフォアグラ”に喰らいつく、という内容であった。この一行を思い出してしまったほどだ。
     普段関西で活躍している劇団だが、またぜひ東京へも出張して公演して欲しい劇団である。パンフレットも手が込んでいて中にはペーパークラフト迄入っており帰宅後迄楽しめる内容だ。色々な仕掛けがしてあって遊べるのが楽しい。

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    2016/10/29 01:29

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