満足度★★★★★
濃密な舞台!
上演前には中島みゆき の「ファイト」が流れ、この物語の応援歌のように聞こえる。もちろん冒頭、お馴染みの「白鳥の湖」や黒電話が鳴り響くというシーンは観られる。
この公演、人間の五感を大いに刺激する。舞台セットは中央に古びた大きな机、その上には黒電話、洋酒ボトル・グラス、タバコ・灰皿、そして捜査資料がある。それを目で見、音響は耳で聞き、鼻で匂いを嗅ぎ、舌で食を味わう。その個別化した”感”を全て感じることができるが、さらに「触感」という感覚まで意識させる素晴らしいもの。この作品は多く上演されており、その中でどう観(魅)せるか、それは演技力にかかると思う。
本公演...中野スタジオあくとれ、という小空間が、昨今バーチャルな世界が加速する中、五感すべてを刺激し感動するようなものに仕上がっている。
そして、つかこうへい の思いであり想いの「 い”つか公平”に」がしっかり描かれていた。その最大の要因は、役者陣の熱演であることは間違いない。
(上演時間2時間)