あの大鴉、さえも 公演情報 東京芸術劇場「あの大鴉、さえも」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    身体表現の美しさとおもしろさ
    延々と大きなガラスを持ってうろうろ‥疲れてぶつぶつ‥するだけなのに、中だるみもせず、笑いもとって見飽きなかった。
    サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を思わせるシュールで不条理な舞台を男優ではなく女優が演じるのがおもしろい。
    もともと、男が三人がかりで汗だくになってガラスを運ぶ体(エアー)で芝居をするとても演劇的な作品。それをさらに、パントマイム?ダンス?という形で身体表現をしていて興味深い。
    人の体ってなんて美しくおもしろいのだろう‥としみじみ感じた。
    だけど、演じておられる側の女優さんたちは大変だったんだろうなぁ。。たったの三人しか出てこないし。

    カーテンコールは2回。

    ネタバレBOX

    客入れの楽曲はタンゴ。
    劇中に使用された楽曲には、パーカッションを効かせた民族音楽風、クラシックのピアノ曲など。
    美術はシンプルでスタイリッシュ。後方に白い壁がふたつ斜めに傾いてあり、本を開いた状態のように観える。
    白い壁にはぴかぴかに光る真鍮の蛇口が2個、ドアノブが1個付いている。1個の蛇口の下にはブリキのバケツが置いてあり、時折、「ぴちょん‥ぴちょん‥」と音をたてて雫が垂れている。
    床には糸車が転がっており、それ自体はシルバーに光る自転車の車輪でできている。
    上手側に椅子が1脚。
    下手側には濃い色目の机と椅子、黒のスタンドライト、机上にはグラスが1個、チェス盤、スライドプロジェクターが置いてある。
    照明がある方向からあたると、白い壁がスクリーンのようになり男たちのシルエットを浮かびあがらせる。
    スライドプロジェクターも実際に使用され、同様に「サミュエル・ベケット ゴドーを待ちながら」、「三条」などが映し出される。

    衣装は三人三様だがモノクロで統一されており、トップスが白ならボトムスが黒、トップスが黒ならボトムスが白、ソックスと靴だけは三人とも黒。

    舞台全体が白と黒のイメージ。美術、衣装、チェスなど。

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    2016/10/07 12:13

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