ミニチュア 公演情報 シアターノーチラス「ミニチュア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    濃密な会話劇
    鳥のように高みからの俯瞰と虫が地を這うようにして見る巨視・微細という世界観。それらを舞台セットで表現している。
    舞台は女性一人住まいのワンルーム。
    公演が始まって明転すると、テーブルの上に白いミニチュアの街模型が置かれている。俯瞰するのがテーブル上の模型(住んでいる街)、虫の目がこの部屋(個人の生活)そのものであり、大・小逆転させている。その心象形成は、公演の不思議さ、不気味さを強くしている。
    (上演時間75分)

    ネタバレBOX

    客席はコの字型。中央の舞台には、ベット、ミニ整理タンス、カラーBOXに本、机に本、テーブルが配置され、それらの上に小物が適度に散らかっている。壁には洋服が...。

    この部屋の主・朝倉文枝(登場しない)は、突然出勤しなくなり、仕事で使用する写真データが入ったUSBを持って蒸発もしくは事件・事故に巻き込まれたようだ。この部屋での探し物をしながらの会話...ルーペを近づけて解像度を上げるような生々しさが迫ってくる。姿なき女性の同僚やカメラマン(荒牧、水沢、西原、岡田、池谷)や姉・朝倉和枝、友人・門脇の証言を通して女性の姿=人物像が浮かび上がってくる。この設定の巧みなところは、大手出版社ではなく、地域のミニコミ誌制作プロダクションであること。これによって対人関係が苦手、パソコンの陰に隠れるようにして仕事をする。終業すれば自宅へ直行、そして友人といえば...。

    登場する人の人物造形がしっかり描かれ、人間関係がいろいろ見えてくる。友人とはマイノリティという配慮した表現よりは、あえて「同性愛」の関係とする。また姉妹の関係は、姉の気持からすれば、幼少の頃から「お姉ちゃんだから妹の面倒を見るの」という刷り込みに辟易している。何年も会っていなく、他人より疎遠のような存在のようである。
    用事に託(かこつ)けて人を出入させ、登場人物を巧みに組み合わせる。職場における立場や恋愛関係も絡めてトゲや悪意ある会話、先に記した同性愛者の誤解による嫉妬、姉の苛立ちなどが痛いほど伝わる。

    この比較的小さな劇場に漂う空気...本音の会話がもたらす緊張・緊迫感が息苦しくなるようだ。この逃げ場のない空間において、役者の演技が不穏な雰囲気を作り出している。

    白いミニチュア模型はよく見ると歪んで作られている。模型の中心にひときわ高い高層の建物。この公演は現実に似たような事件・出来事を想起させるが、あくまでフィクションであり架空の話であるという。それでも高い所に上がると何か(悪戯)したくなる。

    本公演、いつの間にかサスペンスの様相へ変化してくる。登場しない朝倉文枝が模型を作ったという設定であるが、その人物の心の中が見えてくるような、そして心が疲れ病んで消沈いるように思えるのだが...。その一方で、登場人物のドロドロとした感情が溢れ出すようだ。
    ラストシーン、模型を見つめ、「こんなところに居たの」とポツリ言うのは誰か。

    次回公演を楽しみにしております。

    水沢名緒子役の木村香織サンから他劇団の公演「雨夜の月に 石に花咲く」を観に行った際、偶然にも隣席になり、本公演の情報を聞いた。
    自分では好きな公演で楽しめた。

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    2016/09/27 19:42

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  • 木村香織さま

    コメントありがとうございます。
    凄い芝居を観させていただきました。
    当日は、今村氏と話をさせていただきながら、待っておりましたが、お会いできませんでした。また観劇した際にお声掛けさせていただきます。
    お体大切にし、活躍されますように(^_^)

    2016/10/02 18:59

    タッキー様、御来場いただき本当にありがとうございました!
    先日は偶然にもお会いできて、そして覚えていてくださり光栄です☆
    今後ともシアターノーチラス共々よろしくお願いいたします!


    木村香織

    2016/10/02 14:58

    タッキー様、御来場いただき本当にありがとうございました!
    先日は偶然にもお会いできて、そして覚えていてくださり光栄です☆
    今後ともシアターノーチラス共々よろしくお願いいたします!


    木村香織

    2016/10/02 14:58

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