ミニチュア 公演情報 ミニチュア」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
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  • 満足度★★★★

    シアターノーチラスさんは、結構、以前から存じ上げている団体さんなもんで、何か意味ありげな、あるいは、不用意な発言と、それらへの意外な、あるいは、過敏な反応とがもたらす、登場人物たちの緊迫感のある会話とか、常連の役者さんたち演ずる、この女優さんはこんな風な・あの男優さんはあんな風な性格設定のキャラクターだろうな、といった「お約束」を踏まえて、今回も拝見させて頂きました。

    でもってぇ、序盤に張られた伏線のうち、サブストーリー的なものは適宜回収し、上演予定時間も終わりに近づいた頃…ようやく今回のキーパースン(主役)が誰だか、観客の前に明らかになります。そして、その人物が【街の模型】に向かって、つぶやいたひとこと…それまでの沈鬱なコトバの蓄積に、改めて光を当てられたような、ラストのセリフでした。

  • 満足度★★★★★

    コスパも最高!
    下北沢もいいけど、新宿眼科画廊公演もいいね。
    やれやれといった感じでトホホな人達の生態を臨場感たっぷりに楽しみました。
    格好良く置きに行って決まり過ぎていた感もあるが、全ての台詞が利いていた。
    いい時間を有難う~!!

  • 満足度★★★★★

    濃密な会話劇
    鳥のように高みからの俯瞰と虫が地を這うようにして見る巨視・微細という世界観。それらを舞台セットで表現している。
    舞台は女性一人住まいのワンルーム。
    公演が始まって明転すると、テーブルの上に白いミニチュアの街模型が置かれている。俯瞰するのがテーブル上の模型(住んでいる街)、虫の目がこの部屋(個人の生活)そのものであり、大・小逆転させている。その心象形成は、公演の不思議さ、不気味さを強くしている。
    (上演時間75分)

    ネタバレBOX

    客席はコの字型。中央の舞台には、ベット、ミニ整理タンス、カラーBOXに本、机に本、テーブルが配置され、それらの上に小物が適度に散らかっている。壁には洋服が...。

    この部屋の主・朝倉文枝(登場しない)は、突然出勤しなくなり、仕事で使用する写真データが入ったUSBを持って蒸発もしくは事件・事故に巻き込まれたようだ。この部屋での探し物をしながらの会話...ルーペを近づけて解像度を上げるような生々しさが迫ってくる。姿なき女性の同僚やカメラマン(荒牧、水沢、西原、岡田、池谷)や姉・朝倉和枝、友人・門脇の証言を通して女性の姿=人物像が浮かび上がってくる。この設定の巧みなところは、大手出版社ではなく、地域のミニコミ誌制作プロダクションであること。これによって対人関係が苦手、パソコンの陰に隠れるようにして仕事をする。終業すれば自宅へ直行、そして友人といえば...。

    登場する人の人物造形がしっかり描かれ、人間関係がいろいろ見えてくる。友人とはマイノリティという配慮した表現よりは、あえて「同性愛」の関係とする。また姉妹の関係は、姉の気持からすれば、幼少の頃から「お姉ちゃんだから妹の面倒を見るの」という刷り込みに辟易している。何年も会っていなく、他人より疎遠のような存在のようである。
    用事に託(かこつ)けて人を出入させ、登場人物を巧みに組み合わせる。職場における立場や恋愛関係も絡めてトゲや悪意ある会話、先に記した同性愛者の誤解による嫉妬、姉の苛立ちなどが痛いほど伝わる。

    この比較的小さな劇場に漂う空気...本音の会話がもたらす緊張・緊迫感が息苦しくなるようだ。この逃げ場のない空間において、役者の演技が不穏な雰囲気を作り出している。

    白いミニチュア模型はよく見ると歪んで作られている。模型の中心にひときわ高い高層の建物。この公演は現実に似たような事件・出来事を想起させるが、あくまでフィクションであり架空の話であるという。それでも高い所に上がると何か(悪戯)したくなる。

    本公演、いつの間にかサスペンスの様相へ変化してくる。登場しない朝倉文枝が模型を作ったという設定であるが、その人物の心の中が見えてくるような、そして心が疲れ病んで消沈いるように思えるのだが...。その一方で、登場人物のドロドロとした感情が溢れ出すようだ。
    ラストシーン、模型を見つめ、「こんなところに居たの」とポツリ言うのは誰か。

    次回公演を楽しみにしております。

    水沢名緒子役の木村香織サンから他劇団の公演「雨夜の月に 石に花咲く」を観に行った際、偶然にも隣席になり、本公演の情報を聞いた。
    自分では好きな公演で楽しめた。
  • 満足度★★★★

    ミニチュア
    すごくせまい舞台で役者との距離が短くて役者の顔の表情やしぐさ等がよくみえました。失踪女性の一室でそれぞれの登場人物が入れ替わり立ち代りいろんな組み合わせで会話が始まる。その会話がまずかみ合わないところからはじまるのがなんともいえないですね。
    迫真の会話劇でとてもよかったです。
    ただ、自分としては最後もうひとひねりあってもいいのではと感じました。
    あっという間の75分で21時前に終わるのはいいです。

  • 満足度★★★★★

    ミニチュアの意味するもの
    素朴のような先入観のところを、ぐいぐいと心の中に刻み込んでくる想いでした。

    ネタバレBOX

    しびれるような想いです。よかったですね。まず、役者との距離が近すぎるのがいいです。そして、全体として人生のドラマがあり、各々にもドラマがあるのがよいですよね。カメラマンがあり、カミングアウトする友人、個性的なバイト等々、それぞれの独自の世界観、個性がいいスパイスに思えるのです。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2016/09/25 (日)

    この日は午後1時から南阿佐ヶ谷で某公演を観た後、ちょっとした予定をこなし、新宿へ。シアターノーチラスさんの公演は5月の下北「紙の方舟」に続いて2作品目。前作同様、実際に起こった事件を参考にしたフィクション。失踪した女性の部屋を舞台とし、関係者数名が何度も部屋を出入りする。部屋に残った人の組み合わせで様々な展開になる会話劇に時間を忘れるぐらいのめりこんでしまいました。ありきたりの表現ですが、「すごく面白かった」。もっと多くの人に観てもらいたい劇団です。次回作は来年の3月との事。ちょっと先ですが、楽しみに待ってます。

  • 満足度★★★★★

    はずれた釦の行方
    誰かに探してほしい?でも、やっぱり探してほしくない。確かに居たはず?でも、本当に居たのかな?どこに消えちゃったんだろう・・・。一時間、一分、一秒、、、とは無理だが、せめて一日を俯瞰しながら生きてみたい。。。本作品を観劇後に、私が感じた強い印象。これは、刹那的とはまったく別物。失踪した職場の女性をめぐり、職場の上司、同僚、姉、友人らがそれぞれに思考をめぐらせ、個々の立場における様々な言動が錯誤するトリックアートの如き会話劇。これまでの人生で、無くしたもの、失ったひと、忘れたい出来事。これらをぎゅうーっとミニチュアにした人生絵巻を、もう一度ひも解いて、じいーっと凝視しつつ、見つけ出してみたい。私の探し物とは・・・、それは、私が探しそこなった・・・何か、かもしれない。

    ネタバレBOX

    こじんまりとした沈黙の地下の一室で、stage中央を見つめる観客たち。それはあたかも、自分たちの住む場所を、そおっと静かに覗きこんでいるような錯覚に。門脇美紀(友人)を演じた戸塚さんの演技が素晴らしく、流した涙が光っていました。
  • 満足度★★★★★

    く~たまらん!
    「桐島」的本人不在の会話劇、実にスリリングで、のめり込んでしまいましたね。会場が狭く、役者さん達とも至近距離で、密度の高い時間を過ごせました。

  • 満足度★★★★★

    たまには、見上げてごらんよ
    小さな画廊の、小さな舞台の、さらに小さな模型をパッと目にした刹那、観客は大きくなる! 街を、地球を見下ろせるほどに。世の中は動かす対象、動かしたくなる掌中の珠、そんな’現実’が、指先でクルクル回せぬまでも爪痕くらいは、と誘う。バベリーな苛立ちが目の前を寒々しいモノカラーに一変させたとき、本当は、壊すために、壊してもらうために創ったのではないか、姿を消したのではないか、そんな気がした。

  • 満足度★★★★

    好演
    3方向からの囲み舞台で,役者さんがすげぇ近く,そのせいか役柄のキャラクター,芝居の雰囲気,居心地の悪さが妙に伝わってくる好作品。75分,これは絶妙な時間設定。とても面白い観劇時間となりました。

  • 満足度★★★

    観てきた!
    失踪した女性の部屋を舞台に登場人物たちが入れ替わり立ち替わり。
    その場に居る人居ない人、その組み合わせによって引き出される会話から
    次第にお互いの本音や関係性が見えてくる構成が上手いなと思いました。

    展開にあまり起伏が無く一本調子に感じられたので
    上演時間以上に長く感じてしまいました。


    上演時間は75分。三面客席。

  • 満足度★★★★★

    凝縮された75分
    こちらの眼科画廊は初の箱だったのだが、狭い分役者との距離が近く、まるで
    ストーリーの中の部屋にいるような不思議な気分だった。
    演劇を見ながら行方不明の彼女を考えているうちに終わってしまう程夢中になってしまった。
    派手な演出や笑いはないが、日常と非日常が合わさっているような舞台。
    値段も1800円とお安いのでお勧めです。

  • 満足度★★★★

    わかりやすくて目が離せない
    眠気の出る余地が無かった
    長く感じたが約80分のストーリーで
    小劇場的ながらスキの無いつくりに思えたデスよ

    なかなか楽しめた会話劇でありやした(^^)

  • 満足度★★★★★

    今作も実際に起こった事件にインスパイアされている
     兎に角、観易い。中央に舞台、舞台左右と正面に客席と三方から観ることができる作りだ。設定は失踪女性の部屋である。丁度舞台中央辺りに、この街の1550分の1模型が置かれ、下手のライトで照らせるようになっている。模型中央がランドマークタワーのような一際高いビル。(追記後送)

    ネタバレBOX


     高いビルとちっぽけな自分。自分をそのままのサイズに、街をミニチュア化することで、自分の孤独を癒そうとでもしたのか? 社の誰にもその答えは分からない。
     ちょっと考えてみれば、都会生活というのは、生活の基本インフラから飲食の類迄基本的に金で総て買える。食糧を得る為に自然界に分け入ることもなければ、自然や獲物と格闘することもない。大きな仕事を為す為の共同や共闘も無い。金を払うことだけは能動的だが、あとは供給されるだけの受け身な生活と言えよう。そんな都会人の心の奥に潜む孤独やアンニュイ、歪みを浮かび上がらせ、ある種の恐怖を感じさせる作品。
     失踪女性の部屋に置いてある本や枕元に置いてある絵本「わたしとあそんで」などにも彼女の心象風景が読み取れる。流石に小道具にも気を配る、シアターノーチラスの丁寧な芝居作りが生きている。

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