雨の日と月曜日のレヴュー 公演情報 劇団回転磁石「雨の日と月曜日のレヴュー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    もう少し物語性があれば...
    物語は大きく2つの流れを交錯するように展開するが、その紡ぎ方が粗いように感じる。そもそも話を交わせるのが難しい、というか強引に関連付けているように思われたのが残念である。
    この物語は、約50年前に人気を博した公演に「インスピレーションを受けて、現代の一つの親子の形を描き出した」と当日パンフに記されている(主宰・五十嵐朋江女史)。
    セットは、キャバレーの雰囲気を醸しだし、役者も熱演していただけに勿体無い。特に、女優陣は妖艶な衣装にポールダンスまで披露していた。

    ネタバレBOX

    「毛皮のマリー」にインスピレーションを受けての現代版・歪な親子関係を描き出す。一方、缶詰工場における連続失踪(誘拐)事件を追う刑事...その変質的性格を歪な親子の話に重ね合わせる。しかし、2つの話を交錯する必然性が弱い、または強引に繋いでいるように感じる。

    客席は凹字、舞台床は市松模様、その中央奥に赤い長ソファー、支柱のように4つの台座にポール。その天井部には金モールが吊るされゴージャスに彩られている。ミラーボールが妖しく光り輝く。舞台技術(照明・音響)も雰囲気あり。

    梗概は、キャバレーに半ズボン姿の少女。男娼マリーに、わが子以上に過保護に可愛がられ、外の世界やキャバレーの何たるかも知らず育てられた。そこに同級生少女がいろいろな誘惑を企て、見たこともない未知の世界へと誘う。儚くも妖しく哀しい話が、頽廃美あふれ魅惑的な世界として描かれる。

    一方、缶詰工場を中心に小学生が行方不明になる事件が連続している。それを追う刑事が、キャバレーを乗っ取ろうとしている、そしてキャバレーの小学生の養父になってその子の遺産を奪う...そんな男に接触してくる。

    先にも記したが、この話の結びつけがよく分からない、そして事件解決に至るのも単純すぎて物語が流れた、という印象である。毛皮のマリーを土台にしても、その時代性が異なると思う。本公演では、現代への環境・状況に対する抵抗としての退廃的でもなければ享楽的でもない。
    劇団回転磁石として、現代がどのように映っているのか、そして移っているのか、そんな独自性を持った公演に期待したいところ。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/09/26 10:57

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