炎の60分シリーズ 4本立て一挙公開祭り 公演情報 カプセル兵団「炎の60分シリーズ 4本立て一挙公開祭り」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    4作品がリンクする面白さ
    4つの短編が同じ世界観の中で展開する、いうなればセルフクロスオーバーというか、M○VIE大戦や東○まんがまつりのグレードアップ版みたいなイメージでしょうか。

    どの作品も個性的で面白く、一本1時間(作品によっては30分×2)とは思えない充実感がありますが、なんといってもそのすべての作品がリンクしているというのが面白いです。
    その上そういった作品にありがちな、大人の事情で同じ人物なんだけど演者が違うとか、だからパラレルワールドから来た別人なんですなんて設定とかがいらない。
    基本的に全員同じキャストだからより一層思い入れが強くなって面白いです。

    カプセル兵団さんらしい、とにかく「面白い」事が詰まった作品です。
    公演は明日までですが、出来れば全て観てほしいなぁ、なんて思います。

    ネタバレBOX

    下記の順番で観ました。個人的に良い順番で観られたなぁ、と思っています。

    「燃えてヒーローショー」はヒーローショーの舞台裏と表を描いたシチュエーションコメディーで、舞台ならではのドタバタなライブ感がすごく楽しく、思い切り笑える作品です。
    登場人物と一緒にやきもきしたりドキドキしたり熱くなったり…思わず同じところでツッコミを入れてしまったりと、ある意味一番「近く」感じる作品でした。
    この作品で大体の登場人物の立場や性格、劇中劇の設定などがわかるので、最初に観るのにおススメです。

    「炎の戦士バーニンガイvs魔法少女プリティーモモ」はその劇中劇の2作品。どちらも劇場版という設定で、まさに同時上映って感じのお話です。
    正義とは…?ヒーローとは…?という普遍的なテーマに短時間でガッチリと向き合ったバーニンガイは、アクションも爽快でカッコよく、王道ながら燃える展開。
    一方モモのほうは魔法少女らしい少年少女の友情や成長を、悲しい中にもすごく暖かに描いていて、素直に感動してしまいました。ラストシーンが本当に素敵で…
    この作品と「燃やせ刑事魂」は結構リンクしているところが多くて、個人的には後から刑事魂を観たほうが「あぁ、良かった…」って少し複雑ながら思える気がします。

    その「燃やせ刑事魂」は4作品の中で唯一の新作で、刑事モノという特性上バーニンガイ以上に正義とは…?という要素に深く切り込んでいるように思いました。
    主人公とある人物との最後のやり取りは役者さんの熱演もあって、その心の苦しさや迷い、そしてそれを飲み込んで進む人たちの強さみたいなモノをとても強く感じました。「感動する」ってこういうことなんだろうな、なんて。
    タイトルの「燃やせ刑事魂」という言葉は、そんな主人公青島刑事に向けられた言葉なのかもしれません。
    バーニンガイとモモを観ていると、こういった創作物が持つある種の「力」みたいなモノも感じる事が出来て、より一層ぐっとくるシーンがいくつかありました。

    そして最後に、一番最初に作られたという「燃えよ映画魂」。
    これはまさに何でもありで、あらゆる作品・ジャンルがごった煮になりながら、なぜかきっちり一作品として成立しているという面白さ。
    満載のパロディがBGMと合わさって怒涛の様に押し寄せて、お祭りみたいになっています。
    アクションも満載で娯楽大作という言葉がぴったりだと思います。最後の締めとして観るのに良いのではないでしょうか。終わり方もスッキリしていて好みでした。

    この作品だけ「ノーマルバージョン」と「熟年バージョン」とあって出演者が違うのですが、それぞれ同じ脚本とは思えないくらい個性が違っていて、改めて役者さんの作品への影響力というものを思い知らされた気がします。

    もちろんそれぞれ単独で観ても面白いですし、どの順番で観てもそれぞれいろんな発見があって面白いのではないでしょうか。

    こういう誰もが「面白い!」と思うであろう発想なのに、誰もやっていないという様々な試みをしてくれるあたりが、カプセル兵団の好きなところであり、何度も観に行く理由なのかな、なんて思っています。

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    2016/09/25 18:54

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