次回作! 公演情報 こわっぱちゃん家「次回作!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    面白い!
    「好きなこと」と「仕事」の垣根を低くし、新しいライフスタイルを模索するために集まった仲間の共同生活。「劇団こわっぱちゃん家」の”ロジカルポップのスタイルでアットホームな空気を作り出す”は見事に表現されていた。

    自分の好きなこと、それが仕事になって生活できればそれに越したことはない。しかし世の中そんなに甘くないよ、という辛口も登場人物に負わせて描く。それでも仲間が居る、その共同生活の中で夢に向かって進む群像劇...次回作が楽しみになる?
    (上演時間2時間10分)

    ネタバレBOX

    この在りそうな生活...共通しているのは「ネット投稿での生活」と「同じ家に住む」である。この仮想世界を通じて実生活をする、一軒家に住みながら日常会話(ゆげ坊・山藤桃子サン)が少ないという不思議さ。

    ネット投稿する人(ニューチューバー)という耳慣れなかった言葉、しかしそこに居るのは紛れもなく人である。その一人ひとりに個性があり、その表れがネット投稿する内容の違い。簡単には成功しない(ユーザー登録が伸び悩む)という現実も描かれる。またこの共同生活者以外のニューチューバーも登場させ、その世界の広がりを示す。
    漢字の「人」は背を向けるように2本の線が左右逆方向に払われながら、互いに支え合っている。この公演の設定そのものではないだろうか。

    見せ場は、このニューチューバーたちのユーザー登録者数を競う雄武会なるイベントに向けて切磋琢磨する様子。そこに仮想の世界を描きつつ、その一方で、恋愛や生き甲斐などの人間臭さを観(魅)せる。この真逆のような設定は巧み。
    役者は、登場人物それぞれのキャラを立ち上げ、その立場に応じた悩み・不安や葛藤を表現していた。

    少し残念であったのが、次のところ。
    イベントに向けた盛り上がりについて、その対象がバーチャルであるがゆえ、現実感(観えない)が伴わず緊張感のようなものが感じられなかった。
    ラスト、米山(外山達也サン)は、ウルトラC的なネット投稿(物語)を仕上げたか、亡くなっている、という予想がつくような展開で、結果は後者となっていた。
    タイトル「次回作」は亡くなった男への追慕のような...。

    次回公演も楽しみにしております。

    0

    2016/09/21 17:41

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大