ひなあられ 公演情報 演劇ユニット「みそじん」「ひなあられ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    微笑ましい...面白い!
    本当に”喫茶店・ひなこ”の客になり横で見聞きしているような感じである。登場するのは三十路女、四十路女の10名。そこはやはり恋愛・結婚話が中心になる。ちょっと痛くておもしろあったかい演劇、というフレーズ通りであった。

    さて「みそじん」は、お座敷公演は何度か観ており、その4姉妹の人物造形、立場という関係を濃密に描いている。本公演は劇場公演ということで「第1回公演」と銘打ったという。お座敷という小さい空間からシアター風姿花伝という少し大きな場所に舞台を移し、10名の女優が彩り豊かな花をそれぞれ咲かせたようだ。
    (上演時間2時間弱)

    ネタバレBOX

    舞台は喫茶店内をしっかり作り込んでいる。上手にトイレ、その奥に店出入り口。下手はカウンター、その壁には飾り棚。中央にはテーブル・椅子が配置されている。カウンターには、公演タイトルに因んだ雛人形が飾られている。

    梗概というよりは、その登場人物の紹介が面白い。3姉妹と店の常連客が織り成す恋愛、結婚話が中心である。長女は競馬場通いの46歳、次女はこの店を実質的に切り盛りする35歳、三女は結婚間近いの30歳。若い(35歳)アルバイトもいるが、常連客はパチンコ狂の女、夫婦仲冷え切り女、離婚を繰り返す女、万引きGメン、砲丸投げの選手と個性的な面々。ドタバタ騒動の繰り返えしであるが、実に微笑ましい。近所にこんな喫茶店があれば自分も行ってみたいと思わせる。

    この物語中、雛人形は飾ってあり、それ故婚期が遅れるような。婚期が遅れる...片付けも満足に出来なければきちんとした女性になれず、お嫁さんにもなれない。「お雛さまを早くしまわないと嫁に行き遅れる」と言って躾る。また、早く飾り出すと「早く嫁に出す」、早くしまうほど「早く片付く(嫁に行く)」。雛人形は婚礼の様子を表しており飾る時期を娘の結婚に準えるなど様々な理由があるようだ。いずれにしても親心のようであるが...本公演では親はいない。出来れば親の陰が見えれば印象的だったかもしれない。

    女優10名とも適材適役といった感じで、本当に実在しているかのようである。何しろ生き活きとしている。市井に見る出来事をデフォルメして観(魅)せる。できれば、この年代であれば介護、姑仲、子育、もしくは働く形態(正社員OL、派遣社員、パート、アルバイトなど)の苦楽のようなもの。もう少し社会との関わりが見えると...個人的にはそんな場面も見たかった。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/09/13 19:37

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  • 貴重なご意見、ご感想をありがとうございます。今回は恋愛・結婚がメインでしたが、社会との繋がりもとても興味深いですね!今後の参考にさせて頂きたいと思います。これからも、ちょっと痛くておもしろあったかい演劇をモットーに、お客様に楽しんでいただける作品を公演していきたいと思います。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

    2016/09/29 21:24

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