満足度★★★
新約と言うよりは”新案” 【狂気の行方】
つかこうへい氏が生きていたら何と思うだろう。苦笑するか怒るか...本筋(ストーリー)や舞台セットは今まで観てきた「熱海殺人事件」であったが、その演出は西荻小虎氏の独自性が出ている。その特徴は、ストーリーよりも観(魅)せて楽しませるというパフォーマンスの印象が強い。その意味で”新約”というよりは「”新案”熱海殺人事件」といった感じである。
副題「狂気の行方」とあるが、当日パンフに演出・西荻氏の解説が記載されていた。それを都合よく抜粋させてもらえば、「…恐れるな。深淵に足を掴まれ立ちすくんでしまうなら、俺達が前を歩こう。背中を追いかけてこい。その先で待っているから」と。
言葉は悪いが、手垢の付いたような「熱海殺人事件」を独自の演出で表現するため、自分自身を勇気付けしているような。
(上演時間1時間25分)