弟の戦争 公演情報 桜美林大学パフォーミングアーツプログラム弟の戦争」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    若獅子たちのリング。
    若さを武器に役者がまさに戦っている、客席を四方で囲む舞台。
    そこでは、躍動感というには有り余るくらいの爆発が何度も起きる。
    その武器を生かした、演出・音響・照明・美術。
    OPAP最高の舞台が生まれたんではないか、と真面目に思っている。

    戦争をリアルに立ち上げる一つの方法を戯曲は提示しているわけだが、
    作り手は、それをさらにリアルに立ち上げるための努力を怠っていない。
    幾つかのギミックも、決して嘘にはなっていない。

    恐らく、主役級が活躍すれば成功は約束された舞台だ。
    しかしながら、それを支える面々も、抜かりはなかったように見える。
    それも満足度を上げる要素となった。

    確かに隙はある。それを埋めて余りある戦う姿勢。感激、の一言である。

    ネタバレBOX

    一人の俳優について語らせていただきたい。

    「信頼できぬ語り手」を演じる際に、演者は真摯でなければならない。
    少しでも疑わしさを残せば、嘘つきになってしまう。
    少しでも大袈裟すぎれば、それもまた嘘っぽくなってしまう。
    その間を注意深く、時にはドライに時にはウェットに演じねばならぬ。
    大石憲は、見事に騙してくれた。
    若獅子が獅子になろうとしている瞬間を見て取ることができたと思う。

    大石憲、今後大いに注目してほしい。

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    2008/12/06 01:30

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