満足度★★★★
共生を感じるような...
この脚本「ジプシー~千の輪の切り株の上の物語」(横内謙介 氏)は、1989年初演で、今から約30年前のものという。台詞から感じる状況・背景は少し古いような気もするが...。しかし、色々な対比を通して普遍的なテーマも透けて見えてくる。
さて、バブル期にマンションを購入した夫婦、特に夫のはしゃぎようは分かる。一方、説明にある建築中のマンションに闖入・占拠しているジプシーは物質や定住に拘らない。建築中でコンクリートむき出しの殺伐とした所になぜ居るのか。後に分かるが、ジプシーの正体、この場所にいる意味と謎が氷解していく。
そこに見た「生ある存在」と、登場する人々との交流を通して描かれた心温まる物語。色々な意味で「共生」を感じる。
(上演時間1時間45分)