ブラック祭2016 公演情報 メガバックスコレクション「ブラック祭2016」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    芝居というよりは… 【RS】
    ショーを観るような感じである。阿佐ヶ谷アルシェという劇場、地下に下りると薄暗い中に異様な空間が作られている。この劇団の特長である舞台セットの作り込みはリアル。映画・TVなどで見るような監禁舞台...そこで繰り広げられるサバイバルの様相...というのが上演前の印象である。
    この雰囲気は背徳・加虐的であるが、進行役または案内人(滝一也氏 作・演出)が当初重々しい口調で説明していたが、途中から観客向け、いわばゲームの進行を楽しませるような口調へ変わる。
    物語の構成は変わらないであろうが、その結末は観客が参加することで毎回違ってくるという。観客は檻の中の芝居を楽しみながら、自分も参加しているという娯楽性に酔いしれることになる。
    その楽しませる話術、演出は巧みである。

    ネタバレBOX

    説明には「7人の囚われた者達の運命を決めていただきます」とある。観たのは全員女性キャストの回。カフェレストランの従業員5人と店客2人という設定である。この檻からの生還者を当てるというもの。予めその組み合わせが、上手側ボードに示されている。また全員が生還出来ない無効(流れ)があることも説明される。普通に観劇ということではなく、この生還者の与奪に自分たちも関わるという参加型公演である。

    この一人ひとりに英字・数字が書か(刻ま)れた首輪が付けられている。この数字の「和」が「7」になった場合に開放されるという。7という数字を持つ人はいない。つまり誰かが死ななければ話は進まない。
    数学で「7」は素数で、1とその数以外に約数がない正の数。「7」の除(÷)は素数の決まりごとで出来ない。加・減でしか7が作れない。加(仲間)か減(殺人)か、まさに正ならぬ生をかけたサバイバルゲームが始まった。

    檻の鉄格子上に拉致監禁された女性のパネル写真、そこに記された名前ならぬ英字・数字での識別。その与奪を決めるのがトランプゲーム?のようなもの。いつの間にか芝居というよりは景品目当てになっているような...。

    結局、芝居の不気味さを凌駕してしまった娯楽という印象である。
    その意味で、芝居は今まで観てきたメガバックス作品と比べると今一つ、ショー・娯楽としては満足した。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/08/18 18:36

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