『<トマソンの祀り>を準備する』 公演情報 トマソンの祀り「『<トマソンの祀り>を準備する』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    繰り返し...
    第7回せんがわ劇場演劇コンクール ファイナルステージ参加作品。今回は30劇団のエントリーがあり、その中で厳選された公演の一つである。

    究極には、都市伝説の一つとして「核」不要を訴える。多くの不要なもの、抽象的な形象(都市中のCM音)を描くことで不条理を表しているような気もする。

    パンフレットの説明によれば、「トマソンの祀り」は、都市の人間を観察し、そこに抱え込まれた無用さの事情へ想いを馳せる--たった一人で初める現代の「祀り」だという。その無用に思えるものを、観察したトマソンを「身体でもって出現させる」というもの。
    (上演時間40分)

    ネタバレBOX

    上手側にトマソンの説明者(1人)。舞台の中央は乱雑...その中心が山積みになった靴。下手側にプラレールに電車。その箱庭のような作りは新都心のイメージである。
    この公演はこれらの「物」を通して、人間観察を行っている。一見無用と思える、または雑然とした世界は、人間の心を表しているようだ。

    人間社会には無用なものに目を瞑る風潮がある。それでも残って目にするものも少なからず存在する。さて、”もの”を”人”に置き換えた時、誰もがトマソンになる可能性がある。それに目を瞑るだけで幸せなのだろうか、という問題提起をする。

    赤瀬川原平が発案したトマソンのコンセプトを「何らかの事情を抱え込んだ無用さ」として再解釈。その眼差しを物件ではなく「人」に向けることで無用な身振りや存在の内に抱え込まれた「何か」を観察・再現したのがこの芝居であるようだ。
    その表現としての芝居は、コンクール形式への参加作品ならではという感じである。繰り返しこそが不要のような...そのイラッとするような体現こそが「トマソンの祀り」を表しているかも。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/08/03 20:23

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