第16回公演『大人』 公演情報 劇団天然ポリエステル「第16回公演『大人』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    精神貴族
     大人という単語には、本来人間として大きく、尊敬でき、人生の難事にも悠揚迫らす対応できるような大人物という意味も込められている。

    ネタバレBOX

    だが、単に年齢だけで大人、子供を分けるのみならず、こんな植民地で奴隷であることすら認識できぬ大人なんぞになって堪るか! そういうことは、下司と阿呆と「真面目」で再生産することしかできぬ人々に任せておけば良いのだ。人生の意味は己の生きる意味を認識することにある。孔子も言っているではないか。朝に道を聴けば夕べに死すとも可也、と。どんな個人も他者に成り代わることはできないのであるから。己の生きる意味は己の力で解き明かさねばならない。例え親の愛がどれだけ深く純粋なものであっても、アメリカやイスラエルの空爆を受けて脳漿の飛び散った3歳の女児の命に代えて親が被害を代替することはできない。断腸の思いで親は耐える他ないのだ。これが残忍な現実である。紛争地に関わってきた人はこのような事例をたくさん知っているし、当事者の幾人かの嘆きを直接聞き及んでいよう。イスラエルの閣僚に自分が嫌味を言った時には、中東諸国の外交官が、頗る適切なサポートをしてくれた。件のイスラエル官僚は、自分を恫喝して引き上げていったが。自分は未だ殺されていない。ざまあ見やがれ! 道理の通らないことに、このような反骨を示すことも大人の責任である。と同時に鹿詰らしい顔をして屁理屈と嘘で固めた文言を垂れ流しながら無責任極まりない政策を実行してゆく、安倍晋三や石破茂のような下司をキチンとからかうことも大人の責任である。選挙の公約などは破ることが前提の連中である。選挙運動での発言を信じろと言う方が無理というものである。
     更に、梁塵秘抄の中で最も有名な一行“遊びをせむとや生まれけむ”という理想を実現すべく努力することも大人の責任である。これが実現できていないなら、或いはこのような理想を自ら望むことができないような精神状態で、そのことを揶揄されたら、詭弁でなくキチンと負うべきものを負い、全身全霊を傾けて実現に努力すべきである。
     今作、一見、アナーキーなテイストに見せながら一本筋を通し、人間の優しさと優しさの持つ強さ、人としての嗜みを持った者たち同士の深く強い信頼関係を描いて心地よい。座付き作家役の若やんが悪戯っ気たっぷりだが、作家の集中する時は集中する姿勢と拡散している時に雰囲気迄吸収するキャラを描いている点もグー。

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    2016/07/15 14:40

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