逆光、影見えず 公演情報 MCR「逆光、影見えず」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    約100分
    饒舌で理屈っぽい太宰の短編が、それ以上に饒舌で理屈っぽいうえ理屈と理屈の齟齬によって笑いをも生む櫻井流会話劇へと翻案され、笑えて時に胸を打つ見応え十二分な人間ドラマに。
    本作に出てくるようなダメ男を扱いたがる傾向も両者は似てるし、やっぱり太宰とMCRは親和性高いわな。好相性。

    ネタバレBOX

    フル照明の中、かつての教師や級友たちと教室にいるオサムが、甘えるように後ろから抱きついているサヤとおそらくは他愛もない話で笑い合っている蛇足的で付け足しのような無音のラストシーンが秀逸。
    それまで、オサムと医師の会話の形を取っていささか理屈っぽく提示されていた“生の肯定”が万言をも凌ぐ一枚絵となって体現されていて、頭を通さずじかに心が揺さぶられた。
    誰もが生き生きとして闊達なあの教室にあったのは生の充溢そのもの。輝かしすぎて影さえも消える生の氾濫。感動した!!

    0

    2016/06/26 01:40

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大