シェイクスピアの子供達とラビリンスな家族たち 公演情報 劇団東京ドラマハウス「シェイクスピアの子供達とラビリンスな家族たち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    凝った作りのような...【星チ-ム】
    架空と現実のラビリンス(迷路)の物語であるという。その設定は、公演に向けてシェイクスピアの「リア王」の稽古に闖入者が...。そして稽古中にも関わらず、独自の演劇論が繰り出される。この突然入ってきた四人家族の正体とは、そして彼らの真の目的とは何か。
    初見の劇団公演であるが、この迷路、迷い込んだら病みつきになるかも...。
    (上演時間2時間弱)

    ネタバレBOX

    典型的な劇中劇である。その構成は多重になっており、物語の進展は漂流するが如くあちらこちらに行くが、ラストはある程度予測がつく。予定調和のような気もするが、それまでに描かれる過程が面白い。

    セットは、舞台周りにレンガ状の通路。中央は段差があり、そこに演台を設置してある。また高さのある2つの衝立が、演台の左右にある。その柄は縦に白黒の交互模様。何となく鯨幕を想起させる。場面によって、その衝立を反転させ、違う絵柄が現れる。この情景変化は、舞台美術の制作に関する注文が発せられ、その力量が試されるという、劇中演出であることを示す。

    梗概は、先に記した「リア王」の稽古中に四人家族が突然入ってきて、自分たちの物語の結末を教えてほしいという。この者達の素性、目的などが不明のまま。そして稽古は中断し、この家族の一人ひとりからドラマが語られる。その複雑な家族構成、心の闇、愛憎・嫉妬など、まさしく心のラビリンス。

    話はいつの間にか、この四人家族が自分(稽古中の演出家)の実家族へすり替わる。いつの間にか青森・津軽弁で語りだす、演出家の生い立ち。四人家族にいる息子の咳、演出家自身の咳がシンクロして同一人物であることは想像がつく。この演出家の姿...どうしても太宰治を想起してしまう。稽古劇は「リア王」であるが、ハムレットの有名な台詞も飛び出す。そぅ「To be,or not to be, the question」である。太宰の生まれ故郷、作品「新ハムレット」を連想する。全体を支配する演出は、法廷劇から家族ドラマへ変容する。

    この稽古..「.リア王」の役イメージを巡り議論している最中。いったん20分間の休憩を入れるが...演出家の夢想における深層心理のようなラビリンス。この家族の正体、セットの鯨幕が象徴している。

    役者の大仰な演技は、劇中稽古のイメージ。しっかりキャラクターが立ち上がってくる。その役者陣のバランスも良く、最後まで緊張感(途中まではサスペンス風)を保ち、観(魅)せてくれた。

    この公演、シェイクスピアに魅せられた演劇人...「シェイクスピアの子供達」を導入にしており、「迷宮(ラビリンス)な家族たち」が掻き回す。いや書き回している。当日パンフには、作・演出の井口成人 氏がデザインのことについて書いている。チラシの絵は三階建に見える建物もよく見ると二階建という。あれ、自分では導入稽古中、闖入劇、実家族という三階建(構成)と思っていたのだが...。自分としては、”二階建と見るか、三階建とみるか”、それが問題だ。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/06/25 12:30

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  • 病みつきになるかも、だなんて、とても嬉しいお言葉、ありがたいことでございます。
    舞台の見方、見え方も人それぞれなんだなということにもタッキー様のお言葉で気付きました。
    舞台美術にそんな裏まで含まれているなんて…!
    ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願いいたします。

    2016/06/25 17:56

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