期待度♪♪♪♪♪
胡蝶の夢
最も透徹した見解とは、或いは、この投稿タイトルの如きものかもしれぬ。なんとなれば、我らの暮らすこの地上も2億5千億年~3億年後には、パンゲアの如き超大陸の一部になるか海底に没するかしているハズであり、そこまで先読みせずとも次の氷河期はまた来る。80億年~100億年後には、間違いなく太陽に飲み込まれて地球自体が溶けて無くなっている。どんな人であろうとこの程度の天文の知識は持ち合わせていよう。
このような自然の大変動に対して、ヒトの知がいかほどの効力を持ちうるかについてはなはだ心もとないことも認識済みである。このような大前提のもと、ヒトの情や冠婚葬祭などの儀礼が、我らの精神活動に持つ意味は、余りにも過酷な、現実認識から、発狂せずに自らを守る防波堤ともいうべきものなのだろう。邯鄲の枕にしても、前提に立つのはこのような侘しさであるに違いない。
一方、生きるということに一所懸命に賭けることで、意識の向きを逸らす方法がある。多くの人は、この道を選んでいるのだろう。普段、上記のようなことは頭の隅に追いやって、日常のカオスを懸命に生きることで、最悪の現実から逃れようとするのである。それは一種のゲームである。極めて知的な遊びなのである。だから、今作のような設定にもやはり、生きてあることへの肯定的解があるものと信ずる。
独特の表現様式でいつも完成度の高い作品を見せてくれるワンツーワークスの舞台、今回も期待している。