満足度★★★
約115分
ニュースペーパーみたいに安倍のキャラクターを皮相的にいじるのでなく、安倍の目指す独裁的で強者優遇のイヤ〜な日本を弱者目線で描こうとする姿勢は買える。
ほんと、一億総活躍とか冗談じゃねえ。少なくとも私は、安倍が理想視するような社会で活躍なんてしたくないし、「女性活躍社会」が当初案では「女性活用社会」だったことにも表れているように、現政権は国民をマシンのように酷使して国に尽くさせようと考えているに違いないのだ。
…と、安倍の目指す日本を私がかくまで憂えているのに対し、本作の描く安倍色に染まった近未来ニッポンはそこまでドス黒くなく、そこに物足りなさを感じた。
安倍社会への悲観的眼差しがまだまだ弱い。
いや、安倍の思い通りの社会が全き形で実現したら、ホントあんなもんじゃ済まないって。
安倍のヤバさが伝わってこない一因としては、舞台がコンビニであることが挙げられるだろう。
優生思想や階級志向が透けて見える安倍の政策の悪影響がもっと出やすい職場を舞台にしていれば、安倍社会への危機意識をより煽る劇作品に仕上がっていたと思う。