満足度★★★
多分、壮大な話
だと、思うのだけど・・・かなりチープな出来上がりになってしまっていると思った。セットがシンプルなのは許せるが、“目隠ししてます”と言わんばかりの白い布。そして全体の雰囲気は“砦”。シロマが隠れ住んでいた場所をべースと摺るなら○だが、そこに王座の図はどうも陳腐。バックは木質より無機質なものの方が変化が取れたのでは?そして、衣装。すくなくとも“天子”たるのもが、セルロイドの人形に着せるようなテカテカのピンクという品の無さはひどすぎる。名のとおり、白のシンプルなもので品を出すべきでは?陰の衣装も、陳腐。その世界を創造させる独自性がまったくない。また、ひとつ国の話なのに、殺陣は四人まで。国という大きなものを感じさせる迫力が無い。言葉だけで大きい軍勢を感じることは出来なかった。しかし、話としては面白いと思う。特にシロマの、世を知らない女の愚かしさ、ここは上手いと思う。出来ればもう少し劇団としての力を貯めて、登場人物(特にアンサンブル)を増やし、美術的なものをもっと向上させて、4、5年経っての再演なら、もう一度観てみたい。このチープさで最後に子供の名前が出たときは、やっぱりこの辺りが出るのね、と思いつつ、かなりがっかりした。