成り果て【グリーンフェスタ2016 GREEN FESTA賞 受賞作品】 公演情報 ラビット番長「成り果て【グリーンフェスタ2016 GREEN FESTA賞 受賞作品】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい公演
    将棋の世界を描いた物語…「グリーンフェスタ2016」において【GREEN FESTA賞】受賞。同じ将棋の世界を描いた「天召し~テンメシ~」で2014年【GREEN FESTA賞】受賞をしているから、将棋の物語といったら ラビット番長 という代名詞になりそうである。
    自分は両作品とも観ているが、本作品のほうが好みである。単に前作が実在する人物をモチーフにしており、本作品は非実在という世界観の違いだからという訳ではない。
    芝居としての観せ方が好きである。観客によって観点が違うから一概に言えないが、物語の多重構成、観客本位のわかり易い観せ方が良かった。演技は若手育成もあろう、少し多い登場人物、演技力差も見られるが...。そこは敢えてということは十分察っすることができる。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、三方向から観せる。何の変哲もない舞台が、中央扉を両開きすることで、上手・下手に話を振る。さらにその上部に対局場面を設ける。将棋のタイトル戦は、盤上をTVで映す時は天井からカメラを回すが、この芝居ではその逆、上階で俯瞰するような位置取りである。
    やや上手扉が客席寄りに出ており、そこでは奨励会会員であろう若手メンバーが騒がしく指手研究をしている。一方下手は、物語の本筋...その牽引する場面が描かれるが、上手の方が客席に近い分、騒がしさに気を取られるようだ。この三方向の演出・演技が少し離れており、観客(自分)の集中力が分散されるようであった。
    物語は多重構成...一つは、プロ棋士とコンピューターに搭載された人口知能との対戦。人口知能が自己進化するという、将棋というアナログ世界へ異次元的要素を持ち込んで魅せる。実際、プロ棋士とコンピューターソフトが戦う「電王戦」(ドワンゴ主催)がある。
    もう一つは、プロ棋士になれず挫折した人間...その男を通してみた生き様。そこには夢を追い続けて、その人間味が溢れているところ。この両極をしっかり描き、芝居としてまとめあげている点が素晴らしい。

    途中、コンピューターの自己進化に”嫌悪”的な描きも見えたが、この人口知能コンピューター、人類にとっての存在価値を問うような...。危険・過酷な労働はロボットに任せる。しかし、誰も理解できない「知」に依存する世界。やがて制御不能な人口知能に人類は支配され、なんて不気味な連想もさせる。

    さて将棋好きには、東・西棋院の関係、女流棋士の立場・存在などニヤリとする小ネタも盛り込んでおり楽しめる。
    ラストは、ラビット番長らしい結末である。

    グリーンフェスタ2016授賞式の時、今年6月に「天召し」を再演するようなことを話していたと思うが、6月は「ギンノキヲク2」(演劇制作体V-NET)を再演し、9月に「天召し~テンメシ」が予定されているようだが...池袋演劇祭参加作品にするのだろうか?

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/06/05 14:58

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  • タッキー様
    ご来場ありがとうございます!
    たくさんご感想も書いていただき、感激です!!
    将棋好きなタッキー様にも楽しんでいただけて何よりです。
    本当にありがとうございました。
    次回もしっかり頑張りますっ

    2016/06/18 17:41

    タッキー様
    「成り果て」ご来場ありがとうございました!
    細かい部分までしっかり観ていただけていて嬉しいです!!
    将棋好きに分かるネタがところどころに仕込んでありました(^ ^)

    9月の「天召し」もぜひよろしくお願いします!

    2016/06/18 17:40

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