落語と芝居は別物
口コミが好評なので千秋楽を観に行きましたが、正直なところ、落語が終わって、劇始まり5分で帰りたくなりました。先ず、冒頭の前説?がひどかったです。コリッチでどれだけ評価が高いかということを熱弁していらっしゃいましたが、とても白々しく、始まる前のトークの内容としてはとても未熟なものでした。初めて舞台を観る前のお客はとてもデリケートです。盛り上げたい気持ちはわかりますが、些か乱暴で繊細さに欠けており、気持ちが冷めました。
落語は流石プロ、すごく面白かったです。
しかし落語家として素晴らしくても、芝居というものは別物です。
演劇を知らない方が演出されている、という印象がありました。
後半はそこまで酷くなかったですが、前半はほとんどの役者が会話できておらず、学芸会を見ている気持ちでした。
普通に呼吸をして、普通に相手の会話を聞いて、普通にしゃべるという、そんな基本がどの役者もできていなかったです。
唯一見れたのは、居候さんと小さな平井堅さんだけでした。
ぜんじろうさんは一人吉本のようで見るに耐えず、モロ師岡さんは台本をよく読まれていないのでしょうか、大事なシーンで誰よりも先に泣いてしまい、他の役者やお客さんの泣き所をことごとく潰しておられました。
観劇後、良かったところを頑張って探そうとしたのですが、落語を見せたいのか、芝居を見せたいのか、吉本を見せたいのかが中途半端で、結局この舞台でなにがしたかったのか明確に見えてこない舞台でした。
落語の新しい形をと仰ってましたが、稽古不足なのか、演出が素人並だったせいなのかわかりませんが、少なくともお金を取っていいレベルのところまでは作り込まれていない舞台だと感じました。
新しい事をしたいのであれば、圧倒的な説得力が無いといけません。ただ混ぜただけでは何も生み出すことはできません。
ここまで芝居テイストに寄せて作るのであれば、もっとお芝居の勉強をされたほうが良いかと思いますよ。
くれぐれも満足しないで頂きたいと思います。