余計者 公演情報 teamキーチェーン「余計者」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    脚本の風通しの悪さは家族愛のとらえ方に問題か?
    昨日から日暮里のd-倉庫で上演しているteamキーチェーン第11回本公演『余計者』の招待券が当たったので出かけてきた。この団体を観るのは初めてで、知り合いの役者も一人としていない。

    ネタバレBOX

    幼い時、借金に追われ幼い妹は借金取りに連れて行かれ、両親はその借財を生命保険で返すために自殺を図った。その少年が17年を経て、両親と別れ際に約束した「自分も妹も幸せになる」という約束を果たすため、妹を奪った借金取りカップルの住む地元に戻ってくる。地元だから、当然ながら幼なじみもいて、その幼なじみの家に出入りしながら借金取りカップルや妹を金で買っている会社員(その息子は引きこもりで借金取りの家を盗聴・盗撮している)、そして自分の正体を知られた幼なじみの家で知り合った女性までも殺してしまう。そして念願の妹を救い出した・・・と思った時、彼のことも本当の両親のことも幼すぎて記憶に残っていない妹は、自分を育ててくれた借金取りの女性の遺体にすがり「お母さん」と泣き崩れる。それを見た兄である元少年は、こんなはずじゃなかったと呆然と立ちすくむ。


    借金取りカップル、妹を買う会社員一家、そして幼なじみ兄弟一家という3つの家族といえるべき人間関係に刑事も加わる複雑な人間関係は、脚本家が考えていたというか計算していたようには風通しの良い整理がなされておらず、どこか混沌として見ていてしっくりこないのが最大の問題点。特に、幼なじみの事件の真相を知っているようなそぶりをさせる理由や、引きこもり少年の存在意義というものが明確に示されていないのが気になった。
    役者たちは皆熱心に演じていのには好感が持てたが、細かい仕草や個々の人物設定やその仕草の違い(使い分け)が乱雑であったような気がする。例えば、少年がいつもメモ用紙をなぜ持ち歩いていたのか、刑事が借金取りカップルの女性にだけは連絡先名刺を渡さず女性自身に連絡先電話番号を書かせたのか、警察手帳を上着のポケットではなくズボンのポケットに雑に持ってたのかなど、細かい点までもっと丁寧に演出すべきだろう。
    主役とも言える少年や幼なじみの学生やその同級生たちの演技全般は、見ていて一応手応えがあった感じ。

    この数週間充実した団体の舞台を見続けてきたせいか、今回はそうした細かな点で若干失望したと言わざるを得ない。

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    2016/05/19 21:07

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