同想会 公演情報 劇団ヨロタミ「同想会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ヨロタミらしい笑って泣いて...ないけど面白い
    劇団の特長...本公演もシリアス、コメディのシーンが混在する。もう少しで落涙する、もしくは爆笑する一歩手前で異なるシーンへ転換する。

    物語は、あえてリアリティにするわけでもなく、あくまで社会で課題・問題もしくは話題になっていることを盛り込んだ娯楽劇という感じである。だから挿入される歌やダンスも、失礼ながら本格志向ではなく物語の中の緩衝的な役割であり、イメージ構築といったところ。それでも飽きさせることなく、観せる”力”がある...ということは不思議な魅力があるということ。

    また、この劇場は入り口から客席奥には行き難くなっているが、中央に通路となるスペースを確保する。集客数からすればもったいないところであるが、観客本位の気配りが好ましい。

    本公演は、高校時代のクラスメイトが同じ想いを抱えて生きていること。その15年という歳月を邂逅する、ミステリー・コメディである。

    ネタバレBOX

    セットは、いつもながらしっかり造り上げている。まず、下手に舞台となる山奥のヴィレッジ、中央にはヴィレッジのテラスのような瀟洒なテーブルと椅子。上手は他のヴィレッジへ通じる小路があるようだ。この舞台とは別に回想シーンに当たる高校の屋上が下手に張り出して設けられている。始まる前、自分はそこが大きくスペースになっていることから、何らかで使用すると思い、真中の席を確保した。座る場所によっては観にくいだろう。また些細なことだが、自分が観た回(初日)は髭が落ちそう、ダンスで椅子を倒すなど気をつけるところあり。

    芝居は、高校時代に仲が良かった6人が集まるところから始まる。もっともこの同想会メンバーとの恋仲にある人物(2人)も現れる。この2人は前説も担当した湊未来(坂本直季サン)と黒枝芙奈美(南井貴子サン)であり、劇団歴が長い人。この2人が濃い冒頭シーンを演じて...。

    梗概はチラシ説明を借り「高校時代イケてなかった男たち、D6のメンバーが15年振りに再会する、ただ一人、自殺してしまった男を除いて。 恋人が出来たと浮かれる者。収入格差に嘆く者。持(痔)病に悩む者。本当の自分をさらけ出す者-未だに納得の出来ない者。 そんな彼らに疑問が生じる…」というもの。

    この公演には、家庭内暴力...というか犯罪、その被害者がこの6人の憧れの女生徒・土屋恭子(西園ゆうゆサン)であり、家庭内の(父からの性暴力)相談を受けるが、当時はどうすることも出来なかった。この女生徒に親身に相談に乗った教師が退職させられるなど、父親は学校(PTA会長)など、地域や教育現場での影響力を誇示していた。6人の中で施設からの通学者・浅井慎一(大矢三四郎サン)、このメンバーのリーダー的存在を自認する鳥谷猛(中澤隆範サン)が、彼女との関係を巡り争うようになる。そして土屋が死に、浅井が自殺した。その(卒業)後、メンバーは15年間会うことがなかった。この同想会の発起人は誰、そして何の目的で、何がしたいのか...その緩いミステリー感が面白い。

    公演には、オカマ・性転換をした人など微妙に表現が違うが、そのマイノリティの人達も登場し存在感を示す。
    また正規・非正規社員の待遇の差がもたらす問題、貧富の拡大、詐欺まがいの仕事など、今社会へチクリと批判する。本筋はしっかり観せるが、その中には、笑いというオブラートに包んだ批判の数々。そこが押し付け教訓ではないが、単なる笑いだけにしない、強かさがある。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/05/11 23:17

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  • タッキーさん
    ご来場&観てきた!コメントありがとうございます。
    当然なのかもしれませんが、凄く細かい点までご覧になって下さっていて、本当に嬉しいです!
    まだまだ弱小劇団ですが、もっともっと精進しますので、これからも応援宜しくお願い致します。

    2016/05/16 13:17

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