「あたま山」×「ひたすら一本の恋」 公演情報 みどり人「「あたま山」×「ひたすら一本の恋」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    優しさを求めて…
    江戸落語「あたま山」(上方落語では「さくらんぼ」)と芝居「ひたすら一本の恋」を強く関連付けることがなくても、その緩く甘い、そして切ないイメージは感じられた。
    落語は、自分の頭の一本のサクラ見物、芝居はサクラという女性との一途な恋を描く。サクラの時期は短く儚い...そんな切ない物語。そのイメージは、池に身を投げたのではなく、恋に身を焦がしたようなもの。

    この芝居...その内容から5年ほど前に話題になった映画を思い出した。それはサクラのように淡色ではなく、原色でその映像シーンは印象的であった。

    ちなみに、その映画は「頭山」というアニメとは違うもの。

    ネタバレBOX

    ヒマワリ、好きな役者は西田敏行、そして犬の名前が「ハッピー」となれば、「星守る犬」(2011年6月公開)の鮮やかなシーン...黄色い向日葵畑を思い出してしまう。その映画は6月公開であるから、この物語に出てくる12月24日は公開直後の話題作という設定ではないことが分かる。

    淡いサクラ色がヒマワリという原色(黄)の濃い印象へ転じる。この濃さは、主人公・宮崎一郎(そぎたにそぎ助サン)の自信がなく、気弱な男であるが、その演技では存在感を示す。

    梗概は、引越のバイトであるにも関わらず風俗店に通いつめ180万円の借金を抱える。そんな宮崎一郎が風俗嬢サクラ(西澤香夏サン)に惚れて通い続けている。同じバイト仲間もサクラに惚れており、どちらも店外デートを望んでいる。このサクラ、店では優しい母性愛、高慢な女王様と客の好みに応じて演じ分けているが、本当のところは人との関わりが苦手なようだ。だからこそ、クリスマス・イブを一人で映画(星守る犬)を観て過ごす。この映画館に偶然にいた宮崎一郎と喫茶店で話をするが、接客業の割には今ひとつ盛り上がらない。そんな所に人間関係の不器用さが垣間見える。

    公演の底流には、強気に見える独りよがりも、裏を返せば人恋しいという矛盾した描き。しかし、だからこそ人間らしさが表れ、ラストはサクラが行方不明に...。サクラを諦め切れない一郎は、犬が出ている映画を観るのが好きという言葉を頼りに捜す日々。そう言えば「星守る犬」のキャッチコピーは”希望”だったような。

    最後に役者陣の演技は見事。特に面白いのは、猫または犬(芝居的には犬のような)に模した辻川幸代サン、宮本愛美サンのコミカルな仕草が可笑しい。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/05/10 21:47

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