Hit or Miss 公演情報 メガバックスコレクション「Hit or Miss」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    圧倒的な台詞術
    キリマンジャロ伊藤さんの圧倒的な台詞術が舞台を牽引する。自分の人生を「行き当たりばったり」と称する自由奔放なイメージとは裏腹に、鋭い洞察力と冷静な分析で事態を把握する大企業の社長を演じて大変魅力的。惜しいのは、他の役者さんが伊藤さんのテンポについて行くのに精一杯で、ちょっと余裕がないこと。しかし社会派のテーマをこんなエンタメにするセンスは素晴らしく、ラストも余韻を残して考えさせる。

    ネタバレBOX

    大企業の社長とその片腕となる有能な社員2人。
    その3人が誘拐されて監禁状態になる。
    犯行グループの2人が「ボス」と呼ぶ主犯格は、何と社長の実の娘だった…。

    怒涛の台詞を繰り出しつつ論理とユーモアがきちんと伝わる社長のキャラが素晴らしい。
    途上国の資源に群がる大国・先進国の経済論理がいかに身勝手なものか、それに反発して闘いを挑む娘の正義感はたぶんまっとうなものだ。
    ただその方法は幼稚で拙速。
    父親は娘の荒っぽい要求を受け容れる一方で、本当にその方法で途上国の人々が幸せになるのかと疑問を呈する。
    大国アメリカの論理だが、きれい事でない途上国支援の現実を端的に示していて
    説得力ありまくり。
    脚本の持つ論理の正当性と現実とのギャップを巧みに伝えるキリマンジャロ伊藤さんの台詞を堪能した。

    行き詰まった娘は最後の手段に出るが、それは流石の父親にも予想できないものだった。
    ラスト、父親の痛切な思いが伝わって来て思わず涙がこぼれた。

    メガバックスの豊かな発想と脚本を伝えるためには、キリマンジャロ伊藤さんの台詞を
    受けて立つ役者さんが多く育つ必要があるだろう。
    それは課題だが同時に可能性でもある。
    今回は1日4作品というスケジュールの都合上、セットにかける情熱を抑えているが
    それも含めて、メガバックスにはやはり期待せずにはいられない。

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    2016/04/29 21:53

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