満足度★★
脚本の面白さに演技が追いつかない
初見、知人の紹介で観劇した。前日に劇場までの案内メール、当日は要所に関係者が立ち道案内をしており丁寧な対応であった。さて、公演は、物語のテーマ性、主張すべきことは鮮明であるが、それを観せる演出と話を体現する役者が脚本に追いついていないのが残念。
説明文から明らかなように、核、放射能を描いた物語であるが、その時代背景は不鮮明である。この曖昧な時代設定がいつの時代でも共通しているという問題提起のようだ。舞台はユートピア入り口にある日本村4番駅である。しかし、ユートピアどころか逆のディストピアの様相である。また、この駅名から連想できる人種差別の描き。
日本人は天災と復興を繰り返す歴史を持つ。東日本大震災 では天災から原発問題...震災直後こそ脱原発依存の風潮であったが...。人の生活状況、条件はさまざまで一律的な発想は難しいかもしれない。それでも震災を契機に何が禍福なのか考えることも必要。
なおタイトル…燕(の巣)は、人間の有り様への比喩。