華蝶WHO月 公演情報 朱猫「華蝶WHO月」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    キャバレーというよりは...
    花鳥風月をもじった「華蝶WHO月」というキャバレーの企業再生をかけた物語。水商売という舞台設定であるから、少し下品になるが、”女”を前面に出した演出であった。もっともキャバレーであるが、客としてのキャストは出演しない。あくまで店内での客寄せ企画に腐心する姿が中心である。その努力...ミニスカート、セイラー服、カクテルドレスなどで、”花鳥風月”などという風流なものではなく、愛情を込めて表現するば「歌唱振尻(かしょうふるけつ)」または「後ろ姿のWHO尻」という生身の女性が観られる。本当に楽しそうに歌い踊る。そこには夜の仕事に就きながら必死に生きていく強かな女性が垣間見える。上演時間1時間45分(ちなみに、当日パンフの表紙はこのキャバレーの料金表…1セット120分 3,500円 ご指名料・無料。上演後 、舞台上でキャストと一緒に写真OK)。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、下手にカウンターとボトル棚、上手にBOX席という設定。両側に大理石イメージの柱が立つ。天井には「華蝶WHO月」の看板が吊るされている。もっとも店内の雰囲気はキャバレーではなく、スナックに近いような気がする。
    梗概は、「キャバレー華蝶風月」は、全盛期の盛り上がりもなくなり、今ではお店もボロボロで従業員も数人となっている。その店の経営を立て直すべく、本社から女性社員が派遣される。 個性豊かな従業員とともに、アイデアを出し合い店を盛り上げようとする。

    この派遣されてきた女性の奮闘と店にいる従業員(キャバ嬢、ホールスタッフなど)との衝突がコミカルに描かれる。この登場人物の一人ひとりのキャラクターと生い立ちが何気に分かる。そのさり気ない紹介が雰囲気を損なわず展開するところが見事。
    気になるのが、主人公・熊切さやか(小林夏菜サン)が本当にキャバレーを経営する会社から派遣されてきたのか。その最初(説明)の件が、歯切れ悪く別の意図があるような感じを受けた。

    先にキャバレーに来る客のキャストはいないと記したが、あえて言えば観客が店客に見立てられているかも...。前説で劇中で踊るダンスの振り付けを一緒に行ってほしいという。そのプチ練習までして劇場内全体として盛り上げる。その一体感こそが観て楽しいと思わせる(逆に迷惑と思う観客もいるだろう)。

    この舞台の魅力は何と言っても”華”と”楽しさ”の両輪であろう。この両輪は脚本と演出であるが、それを操縦(体現)する役者の演技も良かった。個性豊かなキャラクターと主人公の大人しいアンバランス...そのチグハグ珍妙なバランスが面白いところだと思う。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/04/17 08:04

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