満足度★★★★
タイムリーだ・・・・・
これ7年も前に書かれた脚本なんですね。今現在上演することに劇団は大きな意味を見出しているのだろう。左右が広く、高さのある吉祥寺シアターを敢えて分断したかのような美術が面白く、天井に据えられた美術がわずかに宇宙的な雰囲気を感じさせて美しい。SFはちょっとしたテイストになっているが、描かれる世界はまさに人間世界の悩みとエゴそのものだ。異質なものへのヘイトと憐れみ、根底に流れる、愛する者への断ちがたい感情など、すごく普遍的なものを感じた。様々な境界を表すロープが越えがたい壁をよく表現していたが、ちょっとしつこい感じがしたかな。ロープなど無くても俳優さんの演技力で十分に表現できたと思う。最後のシーンだけでも十分だったのでは。それにしても、どんなに異質な文化であろうが個体であろうが、そこに愛する感情があり、共に過ごした思い出がある限り、人はやはり共生できるものなのだな、と思ってしまう舞台でした。