Gliese 公演情報 ピヨピヨレボリューション「Gliese」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    明るく元気な芝居
    明るく元気というのが第一印象である。そしてコアファンが付きしっかり支えている感じである。その内容は、女の子の憧れが実に微笑ましく描かれており、ファンタジーSFとして味付けしている。

    この劇団は未見で、この劇場に来るのも初めてである。数年ぶりに蒲田駅に降り立ったが、少し懐かしくもあり悲しくも...。
    (上演時間:本編75分)

    ネタバレBOX

    この舞台セットは、左右非対称の階段状舞台で、上手に試着室のような出入り口、下手は円形の刳り貫きオブジェがある。この公演は、ほとんどが女優で本当に華がある。特に右手愛美さんは背も高く美形で目立つが、それに加えダンスパフォーマンスにも切れがある。役どころは脇役で三枚目的な設定であるが、注目させる”力”がある。

    さて物語は、モデルに憧れる主人公・河合由衣(東理紗サン)。 念願のオーディションに合格したものの、 そこには理想とかけ離れた世界があった。序々にスタッフやファンに支えられ人気を博していく、というサクセスストーリー。一方、この雑誌のボスであり、トップモデルの母親、その母娘の関係も絡む。この主人公の憧れを後押しする妄想、その分身とも言える女の子たちAmi、Bibi(新木美優サン、あずさサン)に話し掛け(独り言のように聞こえている)、変人扱いされている。自分も年齢とともに独り言、溜め息が多くなり、逆に肌の張りや髪が少なくなり...この芝居でもある外見を気にするようになる。もっとも若い女の子の悩みと中年男性のそれとは雲泥の差であろうが。

    母と娘の関係は、父と息子や、父と娘の関係以上に難しいのだろうか。母は娘を様々な仕方(今回はトップモデルの維持⇒意地?)で縛り、娘はそんな母の呪縛から逃れようとする。母娘の情景を女性の外見...美容(整形)技術というSF要素を取り入れて、ライトノベルのような観(魅)せ方にする。物語の所々でダンスパフォーマンスや歌が披瀝されるが、これが愛くるしい。こんなところが、ファンの心を掴むのであろう。
    ただ、もう少し物語に深みがあると印象的で観応えが感じられると思う。
    また、芝居のレベルを高めるためには、右手愛美さんとの演技力に差が観られないこと。バランスが欠けては、公演の魅力が失われてしまう。

    私事で大変恐縮であるが、この劇場の近くの病院に父は入院し、そして亡くなった。この劇場への往路は少し感傷的になっていたが、帰路は少し元気がもらえたような気がした。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/04/02 22:42

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