満足度★★★★
観応えあり
タイトルから”仮定”に基づくミステリードラマ。その軽快なテンポと推理する面白さは秀逸である。この公演の当日パンフに主宰・脚本の阿南敦子 女史が「(前略)...この情報過多の時代に、自分の知らないこと、溢れる情報に流され真実を見失ってしまっていること、そんなことがたくさん存在していることを知りました。(後略)」、と記している。この文章を読んで、最近亡くなられたミステリー作家・夏樹静子さんのことが書かれた記事を思い出した。たしか、ご自身は就職したことがなく世間知らず、社会をよく知らない、という劣等感が人に聞くという取材力になっていた。その作風には市民社会では一人ひとりが「知ること」が大切であるという。そんなメッセージ性が伝わる。翻って、本公演は今までのTEAM6gの作風と趣きが違い、いや今までもメッセージ性はあったが、それ以上に強く感じる。その描いた内容は、権力機構...その象徴として警察機構を取り上げる。しかし、その捉え方が一方的に観えたのが気になるが…。