スパイ大迷惑 公演情報 ホチキス「スパイ大迷惑」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ハチャメチャで粋な笑いの詰まったエンターテインメント
     このタイトルを見て、懐かしいあの海外テレビドラマのパロディだとわかる方は、5、60代以上の方だろう。

     「スパイ大作戦」、1996~1973年にアメリカで放送された人気テレビドラマで、日本でも1967年に放送され人気を博したドラマのタイトルのパロディ。

     さすがに、2歳の私にこのドラマを見た記憶はないが、両親は見ていたようで、両親から話を聞いたことがあるのと、この「スパイ大作戦」のテーマソングは今でも、いろいろな番組で使われているので、聞けばこの曲かとわかる方も多いと思う。

     さて、舞台の粗筋を説明しようと思っても、これが説明出来ない。

     なぜかと言えば、いくつものストーリーが同時に絡み合って、最後の盛り上がりまで一気に怒濤の勢いで、笑いとハチャメチャな展開とテンションとエネルギーで駆け抜け、駆け上がって行くからであり。

     そのストーリーがまた、ストーリーがあるようでないようで、説明するのが難しいと言うか、敢えて説明する必要があるのかとも思い、そもそも、説明など必要ないというか、しちゃいけないんじゃないかとさえ思うのだ。

     ひたすらに、馬鹿馬鹿しいことを真面目にやっている。その真面目に馬鹿馬鹿しいことをしているのが、最高に面白い。

     もう、ひたすらにハチャメチャで、細かく散りばめられた笑いが、老若男女問わず、昭和生まれも、平成生まれも世代や年代、性別も越えて、観に来た全ての人たちが共有出来る笑いに身を委ねられるエンターテインメントに溢れた舞台。

     出演された役者さんの全てが、強く印象に残る。

     「天満月のネコ」「君の瞳には悠限のファクティス」に出演されていた織田 俊輝さんや「メイツ」に出演されていた立道 梨緒奈さんが出られていて、その時の舞台とはまた、全然印象の違っていて素敵でした。

     立道 梨緒奈さんの二階堂 誉が見せる「コマネチ」が、キレがあって、何だかカッコイイ。こんなに男前でカッコイイ「コマネチ」を見たことはなく、それは、変に恥ずかしがらずに、吹っ切って思いっきりやっていたからなのだと思う。

     男より男前でありながら、細やかな繊細さと温かさを持って、さらりとした色気もある二階堂 誉は好きなキャラクターだった。

     一番驚き、印象に残っているのは、主人公の諜報部員余怒峰 怒(よどみね いかり=松田 将希さん)をサポートする科学者アルフッド九の石倉 来輝さん。

     小玉久仁子さんがゲストで出演されたこの日のアフタートークで、米山 和仁さんから石倉さんがまだ18歳と言った途端に、会場から「え~っ!」と驚きの声が上がり、私も同じように驚いた。

     それほどに、アルフッド九の石倉 来輝さんは、落ち着いていて大人っぽかったのだ。観ていて、ご本人には申し訳ないのだけれど、30歳前後の方かと思って観ていた。アルフッド九もハチャメチャであるのだが、表情や立ち居振舞いがとても大人っぽく色気があって、とても印象に残った。

     全編、エンターテインメントに徹した、ハチャメチャで、粋な笑いがぎゅっと詰まった最高に面白い舞台だった。

    文:麻美 雪

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    2016/03/27 09:55

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