しんじゃうおへや 公演情報 yhs「しんじゃうおへや」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    何度でも観たくなる。
    脚本、演出、役者の熱量が凄まじく、圧倒された。作品として完成されているが、次に観たときはどこが変わっているのか、前に観たときと自分の感じ方がどうなるのかを期待させる。

    人は、人が定めた罪を裁くことは出来るが、人を裁くことは出来ない。現代社会において罪とされることを論じ、決め、実行するだけである。どんな罪を犯したとしても、死ぬその日まで人は人以外にはなれない。そんな当たり前だがとても大切なことをこの作品は改めて教えてくれた。また観てみたい。

    ネタバレBOX

    矢田部の家族を殺して自殺した犯人が三塚なのかと思った。三塚がストーカー殺人だったのかと。死刑と自殺では死因も違うが、パラレルワールド的な要素もあるのかと思わせる展開が面白かった。

    矢田部の正論は現代社会の良識そのもの。間違ってはいないが、正論だけで話が片付くほど単純ではない。矢田部のやりたいようにさせる小栗課長も、最初は矢田部みたいな若者だったのかもしれない。様々な経験をした小栗課長のような寛容さで正論は包み込まれ、現代社会は成り立っている。

    三塚は物語の最後に自分が死んだことに気付く。罪の意識に苛まれ苦しみ続ける日々が終わった。彼は救われたのだ。だが彼のような狂気は誰の心にでも眠っている。誰もが加害者になり得る。この作品はその警鐘を鳴らしているのかもしれない。

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    2016/03/22 01:26

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