サウンズ・オブ・サイレンシーズ 公演情報 弦巻楽団「サウンズ・オブ・サイレンシーズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    慮るあまりに、Miscommunication
    Simon & GarfunkelのThe Sound of Silenceが静かに流れる冒頭。小さな町に住む姉妹と、彼女たちに関わる男性2名の群像劇。適切な言葉にできないもどかしさ。言葉にできないからこその誠実さ。4名の互いの思いが、それぞれの音を持って、相手に伝わろうとするが、Harmoniseしていない。その結果はどうあれ、沈黙の音(時間)は絶えず流れ、過ぎ去った音(時間)はもう再生することはできない。
    満潮となって川をさかのぼる、じわじわと寄せては返す水音。4人はそれぞれに何者かに身を預け、流され、沈んでゆく。
    ただひとつ、この姉妹の描写について、もう少し深堀が欲しかった。実際の姉妹には、もっと複雑な心象(嫉妬や羨望、葛藤など)が必ず有るはず。
    しかし、昨年、若手演出家コンクール2014で最優秀賞を受賞した実力派の劇団とあって、手抜きのない繊細な脚本と演出に魅了させられたことは事実。
    10周年記念公演となる次作「果実」に大いに期待したい。

    ネタバレBOX

    観劇後、黒澤氏と弦巻氏のAfter talk は必見。ラストシーンのもう1場面が気になる。。。。と黒澤氏。EndingをHAPPYとするか、はたまた破局・・・とするか、迷ったと弦巻氏。私個人としては、あえて、結論を急かず、観客(の体力)にまかせてくださったことに感謝。このstageで最も際立った点は、行間。役者の醸し出す「行間」に、こちらが息をひそめ、ぐっと肩に力が入った瞬間がしばしばあった。帰途にふと、この演出&脚本のなかで、弦巻氏が最も注力したかったことについて、知りたたくなった。北海道に降る真っ白な雪のように、スマートでスタイリッシュな印象が残った。

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    2016/03/12 21:50

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