満足度★★★★★
演劇という文化の中に社会問題を取り込み
「さしのべた その手がこどもの命綱」...その標語が見えるポスターが舞台中央に貼られている。この公演は、前半の軽妙、コメディという観せ方から、後半は重厚、シリアスな展開へ大きく転換する。その落差は大きく印象付ける物語。もっとも前身のTEAM BUZZから得意としているコメディ路線とシリアス路線を融合した作風を追及することにしているのだから、当たり前の脚本・演出なのかもしれない。
さて、この劇場は座席が列間および隣席とが密接であるため、仮に中央に座った場合、身動きが取れない。前作の「ストリッパー薫子」でもそうであったが、開演ぎりぎりまで集客する(劇団とすれば当たり前)。当日券でも観たい客には嬉しいが...。「ストリッパー薫子」の時は、舞台ぎりぎりに座布団を敷いたが、今回は両サイドに増席していた。開演時間遅延に関するお詫びも前作と同様...何か工夫できると良いと思うが(人気劇団の悩みといったところか)。
それでも観客に対する対応は親切・丁寧である。座席への誘導はもちろん、座席下に桜型の敷物があり荷物汚れへの配慮、トイレから出てくる人へのハンカチ提供等々。この気配りが観客(自分)にしてみれば、気持ち良い。