満足度★★★★
一服してがねが?
30周年を迎えた弘前劇場、待望の新作。
男の格好良さ・不器用さ、そのまわりの女たちを描く、ハードボイルドだ。
長谷川孝治の戯曲は哲学的な側面を多く見せてくる。
普段そんなこと話さないだろって面を見せると、そこに茶々を入れたりする。
そのバランス感覚がなかなかに冴え渡っている。
何よりも、今回は長谷川等。
ずっしりどっしりとした津軽衆の親分肌を見せつけられた思いだ。
何もそういった役回りはマーロン・ブランドや高倉健だけのものではない。
津軽には津軽のハードボイルドがいるということだ。
題名は福士賢治が喧嘩の加勢に出ようとするところを止める場面での一言。
椅子に座って背中で語る、「一服してがねが?」
気障じゃない格好良さが伝わるだろうか。