テキサス芝刈機 公演情報 クロムモリブデン「テキサス芝刈機」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    モチーフという足枷。
    傭兵集団・クロムモリブデンに相応しい円形初陣を想像していた。
    が、早い段階で戸惑いに変わり、それをリカバリできずに終演を迎えた。
    空間を圧倒的に支配する劇団員のパワーが、空しく拡散していたように思う。
    TOPSの時に何となく危惧していたことが具現化してしまった。

    しかしながら、劇団員ひとりひとりの魅力を確認できたことは事実だ。
    先程と矛盾するようだが、それぞれのパワーをばしばし受けることができた。
    いつもは、集団と個人のパワーが両立する。今回は両立しなかった。
    たぶん、そういうことだと思う。

    物語はモチーフがくっきりとしてしまったので、手放しで楽しめなかった。
    別に現実の事故を笑いという形で昇華することに異論はないし、歓迎する。
    ただ、具体的なイメージがあればあるほど、“飛ぶ”ことは困難になる。
    少なくともこまごめはうまく“飛ぶ”ことはできず、彼らを見上げていた。
    青木秀樹の言葉を借りれば、「早かった」のかもしれない。

    ネタバレBOX

    物凄く希望を描いたこの物語を否定する気はさらさらない。
    綺麗事でも構わないし、何よりも達観した目線じゃないことに好感を持てる。
    それはクロムモリブデンの魅力なのだろうか。こまごめには判らなかった。

    5年後、この作品を上演した時に、また思うことがあるかもしれない。
    つまり、レパートリーとしての強度を持つことができるかが、鍵だ。
    今はその判断を留保したい。

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    2008/11/10 20:18

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