蟻のごちそう~The Feast of the Ants 公演情報 劇団夢現舎「蟻のごちそう~The Feast of the Ants」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    相変わらず不思議なことやってるね
    まず、今回のタイトルが気になる。蟻のごちそうはニンゲン!

    以下はネタバレBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台の冒頭、両腕を切り落とすシーンから入る。そして首。

    いったいこれはなんだ?!

    切り落とした両腕をクロスしてXにして見せる。


    その昔凶作の際に村で一番若い夫婦を神の遣いである大蟻さまにご馳走として捧げた」という伝説が起源とされる「身奉の儀」が五穀豊穣の儀式として執り行われます。

    蟻塚町の人々は蟻ではない。働かないからだ。どちらかというと、きりぎりすだ。

    セットは古びた木材を随所に使い昭和初期の臭いが漂う。ドア代わりの引き戸にはカランコロンと開けるたびに木の乾いた音が響く。
    その響きは神秘的というより、一種不思議な過去の記憶の音だ。

    そのドアのある床屋に町の人達がたむろしてはぐだぐだと毒づき合う。床屋の亭主とはよく言ったもので、暇があると遊女のところに入り浸り、そんなどうしようもない亭主に義理の妹は好意を寄せる。

    一方、働き者の床屋の妻と町内会長である床屋は冷めた夫婦生活を続けているが、義理の弟が姉に好意をよせてちょっかいを出す。

    雨は降り続け、やがて一之瀬川は氾濫するかのようになった時、愚かな人達は生贄の人柱を捧げる!なんて遊びになって誰か一人を川に突き落とそうとふざける。

    どこまでもノー天気な人たちなのだ。

    今回も全員が目の下にうっすらと熊飼ってます!状態のクマの持ち主メイクで終盤は前作と同じように、ターンテーブルをくるくる早く動かしたみたいに、早口で宇宙言葉をしゃべる。しゃべる!

    やがて川は氾濫し町全体が飲み込まれ水浸しになったが、床屋の一角だけは流されずにどうにかとどまる。が、しかし・・・床屋の家中にぎゅうぎゅうになって非難した住人達は家もニンゲンも縮んでちっさくなっていたのだった。

    座って動く滑稽な動きで全員が同じ方向に同じようにちょこちょこと滑るように動く。一糸乱れず。その光景はまさに蟻なのだ。

    ワタクシは目眩を感じた。やっぱり彼らは妖怪なのだ。
    川の波が町を飲み込み町が一瞬紫色に変じて波打った刹那、縮んだ彼らは縮んだことに気がつかない。

    ちょこちょこと動く彼らを見て、いつだったかあのような光景を見たことがある、とふと思った。・・・そうだ、宇宙人の襲来のシーンにあんな光景を見たのだった。

    そして舞台の上ではちっさくなった人達が両腕を切り落とすシーンになる。そして首。

    冒頭と同じように切り落とした両腕をクロスしてXにして見せる。半分に縮んだ腕を掲げて。生贄のシーン。


    働かない、愚かだ、ということは自滅と同義語ですね。

    「なあ、まいち(床屋の主人)よ、この町は沈むぞ。」

    「大丈夫ですよ、それより祭りだ!祭り!」



    彼らの作る芝居には一種異様な雰囲気がある。その異様な雰囲気はなぜかワタクシの記憶を刺激する。いざその時に臨むとき人生が走馬燈のように脳裏を駆けるというが確かにニンゲンの脳というのは妙な働きをする。彼らの舞台はなぜか、ずっとずっと遠い昔に見たような記憶があるのだ。だから彼らの舞台はワタクシにとって前世の記憶の呼び水みたいなものだ。





    2

    2008/11/10 18:44

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  • この劇団はこれからもずっとあの世とこの世の中間にいるような舞台を演じていくのでしょうね。
    毎回不思議に感じて、毎回驚いて、毎回感激するのよね。そうして、何故か懐かしい香りがするのよ。なんだろー?そうゆう香り。

    役者がね、舞台上で斜めになったり座る時にかっくん!と膝を曲げながら少しずつ座っていく仕草は滑稽だけれど、何度も何度も見てるうちに不思議と「ああ、座る時はああでなくちゃ。」なんて洗脳される。

    きっとワタクシ、洗脳されやすいかも。初めてそう思いましたよ。次回も必ず観ます。

    いや、観ないといけない!(既に洗脳!)


    おーじ、貴方も観ればよかったのにー。
    それから、まだ読まれていないワタクシの「観てきた!」レビューがありますよ。後で読んでねっ。(催促)

    2008/11/11 23:39

    確かに・・、相変わらず不思議な・・。

    前作、「遺失物・・」を観た際、観劇ではちょっとそれまでに感じたことないような印象を受けましたが、今回もやはり、独特な作品世界だったようですね・・。

    う~ん、何だろ・・。
    他で観る、いわゆる、わかりやすいベタなお芝居とは対極にあるような・・。
    うまく表現できないけど、なんか自分達の演劇感、芸術感、みたいなのを、しっかりと、ストイックに維持しているような・・。

    おそらく今回も、とてもしっかり仕上げてきてたのでしょうね・・。

    何となく・・、気になる劇団ではあります・・。

    2008/11/11 23:18

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