奴らの影踏む千葉 公演情報 MCR「奴らの影踏む千葉」の観てきた!クチコミとコメント

  • 笑いの中にも息を呑み
    タイトルからは微塵も読み取れません、既に故人となった歌手克美しげるの
    愛人殺人事件を題材に描かれたお芝居でした。
    櫻井さんご自身のツイッターでその出来栄えをそこそこ自画自賛されていますが、
    それには率直に「激しく同意致します」(!)

    ネタバレBOX

    『蘇る封印歌謡 いったい歌は誰のものなのか』(三才ブックス)を読んで
    事件の経緯を知るだけに、作品世界へストンと入り込めてしまいました。
    事件では存在を記されるだけの本妻側家族へも焦点を当て作り込んだ
    ところがこの芝居の肝かなと。
    愚図愚図と本妻・愛人を抱える生活を止められない男の心理。
    それを、男自身でなくその周囲の人物を通して描ききったように見受けた
    秀逸さが自分にはツボでした。

    ずけずけ(やさ)しー櫻井社長、「あひるなんちゃら」見てるみたいな突っ込みの
    堀刑事、カワ…うん、カワイイ子供達。そして特筆すべき本妻雅子。
    穏やかな雰囲気に溢れた佇まいだけにその切れ味は最恐。

    中でも、生活費を収めた千葉へ子供達ともども土下座する姿には息を呑みました。
    感謝の土下座が鬼気迫るものだと感じたことってあっただろうか…イヤハヤ。
    父親の持ち歌を涙ながらに熱唱した子供達を誉めていた笑顔もそう、川口雅子さん
    恐るべし!!
    勿論、トルコ風呂(?!)で働いて貢ぐ愛人みのりの葛藤と、健気さと、明るさに
    満ちない笑顔も素敵でした。

    テレビドラマ的な題材ですが、演劇だとこんな描き方・魅せ方が出来るんだよと
    感じさせ、楽しませてくれる秀作。

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    2016/02/07 10:26

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